ゴムプール
@ultrasupermadness
ゴムプール
最近、越してきた近所を歩いている。
越してきたばかりの地をただ歩くと、子供のような気分になる。
木々の生えた林、石レンガのブロック塀を挟んで向こうにある。
のっぽな木が庭に生えた宅、柵がこちらとあちらを分けている。
作物の植わった畑、コンクリートの道から土の地面に変わる境目。
成人しているであろう女が、飾り気のない水着を着て、一人でゴムプールに入っているのが目に付いた。
私はその女をまじまじと見つめ、こう声をかけた。
「あの、大丈夫ですか...?」
「は、はぇぇぇぇ!?」
私は、気狂いと、私で、きっと世界が違うのだと思った。
「ち、違うんです! 倉庫に眠っていたプールが懐かしくて!!」
「ああ、わかったよお嬢さん、のぞいて悪かったね」
「ま、待って! そんな目で私の前を通過していかないで!?」
「あ、あぁ...うん、はは」
私はにっこりとほほえみかけ、その先へと通過していった。
もしもこれが実話ならどれだけ面白いだろうか。
ゴムプール @ultrasupermadness
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます