第17話

青島が安藤の死を胸に、捜査を続ける決意を固めたその時、突如として現場の空気が変わった。近くに停まった一台の車が目を引いた。車から降りてきたのは、予想外の人物たちだった。その車に乗り込んでいたのは、あのSMAPのメンバーたちだった。


「青島、和久、久しぶりだな!」リーダーの中居が笑顔を浮かべながら歩み寄ってきた。その後ろから、木村、草彅、稲垣の面々が続いていた。現場に現れた彼らは、どこか映画のワンシーンのような登場で、周囲の警察官たちが一瞬戸惑った様子を見せた。


「お前たち、どうしてここに?」和久が驚きの声を上げた。


中居は肩をすくめながら、「まあ、いろいろな事情があってな。俺たちもただの芸能人じゃないんだよ。最近、ちょっとした依頼を受けてきたんだ。」と軽く答えた。だが、その言葉の裏には、どこか緊張感が漂っていた。


木村が一歩前に出て、青島に向かって真剣な表情で言った。「青島さん、これから君たちと一緒にこの事件を調査させてもらうことになった。」


「は?」青島は目を見開き、木村を見つめた。「お前たちが?どうして?」


草彅がニコリと笑いながら言った。「実は、俺たちもただのタレントじゃないんだ。裏の仕事もこなしている。今回の事件、俺たちが関わることで少しでも手がかりを掴めるかもしれない。」


「ふーん、そういうことか。」和久が少し納得したような顔をした。「だが、いったいどんな手がかりが?」


「実は、爆発事件が起きる少し前、某企業からの情報が漏れたことが分かった。俺たちの仕事はその情報源を突き止めることだ。」中居が続けた。


「企業からの情報漏洩?」青島は眉をひそめた。「それがこの事件とどう関係があるんだ?」


「その情報が、どうも爆発と繋がっている可能性が高い。」木村が言った。「その企業が関わっているとされる人物たちが、裏で何かしら動いている。それを追ってきたんだ。」


その言葉に青島は少し考え込んだ。今のところ、爆発の背後に何か大きな勢力が存在しているのは確かだった。SMAPが言うように、企業の情報漏洩がこの事件に関与している可能性も否定できない。


「じゃあ、お前たちがその企業に関して何か掴んでいるってわけか?」青島は冷静に聞いた。


「まだ全貌は掴めていないが、情報を追っているうちに、ある重要人物が関わっていることが分かってきた。」草彅が答えた。「その人物が、この事件の核心に迫る鍵を握っているかもしれない。」


稲垣も一歩前に出て、言葉を続けた。「それに、爆発の後に残された証拠の一部が、俺たちの調査した内容と一致している。これが何を意味するか、青島さんにも分かっているだろう?」


青島は少しの間、沈黙を保った。確かに、SMAPが持ってきた情報には、無視できない要素があった。この事件がどんどん大きくなっていく中で、彼らの存在が重要な意味を持つかもしれない。


「わかった。」青島はようやく言った。「お前たちが協力してくれるなら、頼りにさせてもらう。ただし、情報を隠すようなことがあれば、俺たちとの信頼関係はすぐに崩れるからな。」


中居はにっこりと笑って、軽く親指を立てた。「もちろん、そういうつもりはないさ。俺たちはあくまで君たちのサポートだ。でも、協力し合えばきっと真相に近づけるだろう。」


その言葉を聞いた青島は、ようやく一息ついた。SMAPという予想外の存在が現場に加わったことで、これからの捜査は一層複雑になりそうだったが、同時に新たな手がかりを掴むチャンスが広がったようにも思えた。


「それじゃ、早速情報を共有しよう。」青島は周囲のメンバーたちを見渡し、指示を出した。「みんな、SMAPからの情報も含めて、もう一度現場を確認する。急いで証拠を集めろ。」


その言葉と共に、SMAPのメンバーたちも再び現場へと向かって行った。青島は改めて、仲間たちと一緒に事件を解決する決意を新たにした。安藤の死、そして背後に潜む巨大な陰謀。この事件を終わらせるためには、どんな犠牲を払っても構わない覚悟だった。


「安藤のためにも、絶対にこの事件を解決しよう。」青島は心の中で誓い、捜査を再開した。


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