第15話

青島は一瞬、深呼吸をしてから、現場に再び目を向けた。爆発の跡地には、まだ煙が立ち込め、周囲の警察官が懸命に調査を続けている。そんな中、突然、遠くから車のエンジン音が響いてきた。青島は顔を上げると、見覚えのある警察車両が現場に到着するのが見えた。


車が止まり、降りてきたのは西部署のメンバーたちだった。最初に現れたのは、鳩村だった。彼の表情は、いつもの軽薄な笑みを浮かべていたが、その目は鋭く、どこか戦闘モードに切り替わったようだった。鳩村の後ろから、源田と松田も続いて降りてきた。


「おい、青島、こりゃまた大掛かりなことになったな。」鳩村が軽く手を振りながら言った。彼の軽口には、どこか余裕が感じられた。


「鳩村、源田、松田…来るのが遅かったな。」和久が少し不満げに言った。


鳩村は笑って肩をすくめた。「遅れたのはすまない。ただ、こっちもこっちで忙しかったんだよ。さて、これから何を始めるんだ?」


「ここで何があったか、まだ全容はつかめていない。」青島が冷静に答える。「だが、どうやら単なる爆発事件ではないらしい。裏に何かが潜んでいる。」


源田は青島の言葉に耳を傾けながら、現場を見渡していた。「爆発の跡地から、未知の化学物質が見つかったんだろう?それが何を示唆しているのか、我々も調べなきゃならないな。」源田はすぐに捜査の方向性を考え始めたようだった。


松田も無言で、現場の状況を冷静に分析していたが、やがて口を開いた。「この街で起きる事件は、いつも一筋縄ではいかない。だが、こんな時こそ、みんなで協力して解決に向かうしかない。」


青島は頷き、改めてその場にいる全員を見渡した。獄門、日向、そしてドクター・ゲロ、スネーク、鳩村、源田、松田、彼らはそれぞれ異なる背景や立場を持ち、事件に対しても異なるアプローチをするだろう。しかし、今はそのすべてをまとめ、問題を解決するために動く必要があった。


「鳩村、源田、松田、君たちは現場の詳細を調べろ。爆発の原因を追うだけでなく、遺留物の分析も急ぐんだ。」青島が指示を出した。


「了解。」松田が力強く答えた。


そのとき、ドクター・ゲロが静かに口を開いた。「私が言ったように、この事件は単なる爆発事件ではない。裏で動いている者たちの手が、確実にこの街に影響を与え始めている。」


その言葉に、青島は少し眉をひそめた。「ドクター・ゲロ、君が言う通りなら、この事件の背後にいる勢力は、相当な規模のものだろう。だが、それを立証するためには証拠が必要だ。」


「証拠はすぐには出ない。」ゲロは冷徹に言った。「だが、君たちが思っている以上に深刻な状況だということは、覚えておいた方がいい。」


その言葉を聞いた青島は、思わず周囲の状況に再び目を凝らした。警察官たちが次々と現場の調査を進め、捜査の範囲が広がっていく中、青島は確信した。この爆発事件は、単なる始まりに過ぎない。そして、それを解決するためには、今までの常識を超えるような捜査が必要だ。


「みんな、少しでも情報を集めたら、すぐに報告しろ。」青島は声を張り上げた。「この事件を解決するために、全員で力を合わせろ。」


その言葉に、全員が一斉に動き出した。鳩村、源田、松田は現場を分担して調査を進め、獄門と日向も独自の捜査を開始した。ドクター・ゲロとスネークも、どこか別の角度から情報を集めようとしている様子だった。


青島は、改めて自分の役割を胸に刻んだ。この事件がどこに向かうのか、何が待ち受けているのか、それはまだ誰にもわからない。しかし、確かなことは、全員が一丸となってこの謎を解くために動き出したということだった。


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