第11話

「ん?どうかした?」


きょとんとした顔で私を見るセナ。



セナにとって“特別”という言葉は挨拶くらい

当たり前のものなのかもしれない。



でも、私は違う。



「.....ちょっと、御手洗行ってくるっ」


逃げるようにセナから離れた。




鏡に映る自分の姿。


瞳は潤んで、頬はほんのり赤く染まっている。


「...わたし、なにしてんだろ」



あまり遅くなっても変に思われる


そう思って戻るとテーブルにはセナの姿しか

なかった。

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