第37話生まれる子供の性別はお楽しみ:名前づけの楽しみ

さと子の妊娠がわかって最初の妊産婦検診。特に異常もなく、順調におなかの中で成長をしているとのことで、まずは一安心。最近では妊婦の血液を検査することによって、胎児の障害の有無が分かるようになって来ているが、まだこの頃はそんな検査は確立されておらず、どんな障害があるかどうかは、産まれて来ない事にはわからない時代であった。

 そして、私とさと子がこのとき、一番どうしようか考えていたのが、やがて生まれてくる子供に対して、どんな名前をつけるかということである。私は、親が子供に与えてあげられる一番最高の、しかも一生物の宝物って、名前だと思う。だからこそ一番最高の名前をつけてあげたい。そして子供が、その名前に誇りを持てるようにしてあげたいと考えていた。そんなことを思っていて、二人でどんな名前にしようか、息子の賢をつけるときに使った、人名事典を引っ張り出してきて、男の子だったらこの名前、女の子だったらこの名前がいいといいながら、考えていた。私の二人目の子供への名前のイメージとしては、賢の場合、何より健康でたくましく、丈夫に育ってほしいということから、すでに生まれる前から男の子と解っていたので、二人で思い描いていた名前をつけて、そのとおりに今のところ育ってくれている。二人目の子供に対しても、男の子だったら、明るく朗らかで、活発な子に育ってほしい。女の子だったら、秋に生まれるので、秋を感じさせる、日本の古風な感じのする、日本人らしい女性に育ってほしいというイメージがあって、男の子だったらこの名前にしよう・女の子だったらこの名前にしよう、ということで、生まれる何ヶ月も前から、すでに名前は決めてあった。そして、両親と姉にこんな名前にしようと思うと話すると、二人揃って

「あんたたちもう名前決めたの?」

とびっくりしていた。早めに名前を決めておかないと、姉の子供のほうが先に生まれるので、ダブる可能性もあるので、早めに決めておいたといっておいた。二人でどんな名前がいいか、いろいろ考えているときって、本当に楽しかったし、どんな顔をしてるんだろうとか、こういう話も、おなかの中で聞いてるのかなぁとか、いろいろ想像していた。ただ、男の子か女の子かは、知らないでおこうという事で一致していた。どちらが生まれるかは、生まれてからのお楽しみにしようと思っていた私たちである。

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