第23話誕生日祝いが水泡に帰す悲劇
3月になって賢は際の誕生日を迎えて、そのお祝いを実家でしようということになり、私がケーキを買って、姉と母が手料理を作って、みんなで楽しく過ごそうということになった。風邪をひいていた賢も2~3日するとすっかり元気になって、安心して外に出せるようになっていたので、車に乗せて実家に向かい、私の両親と私たち3人と姉夫婦と、1999年5月に産まれた朱莉ちゃんととそのおにいちゃん和君の9人が集まって、賑やかに誕生日祝いがスタート。父は自分の孫の誕生日だということで上機嫌で酒も飲んでいた。鳥のから揚げやサラダ等の料理がテーブルにたくさん並べられて、楽しく食事を済ませて、私が買ってきたケーキを食べることに。まずは主役の賢にケーキを選ばせて、お皿に乗せて、あとはめいめいが好きなのを選んで食べて、誕生日会は終了。夜帰りの道中、さと子が不機嫌そうな顔をしており、
「これは何か機嫌を損ねるようなことがあったな」
と私が思っていると、
「賢の誕生日会になんでお姉さん夫婦まで来るんよ」
と文句をブーたれはじめた。私は
「どうせやるなら人数が多いほうが楽しいじゃろ」
というと、
「私はお姉さんところは全然誘う気なんかなかった。こういうときだけ親を頼ってなんなんよ」
というので、
「俺たちのやり方は、おめでたいこととか、楽しいイベントがあるときは、みんな集まってするのが普通じゃ」
というと、
「だってケーキのお金はお父さんが出したんじゃろ。お姉さんところは何も出してないじゃん。私たちがまるっきり損じゃん」
というので、
「あのな、こういう場合、俺たちがお金を出すのが筋じゃろうが。あんまりセコイこというんじゃない」
と喝を入れておいた。せっかく楽しい誕生日会に水を刺されたような感じがしてすごく嫌な気分になって帰宅した私なのであった。ケーキのお金を誰が出したからどうのこうの言うほうがおかしいと私は思うのであるが。子供たちが楽しく過ごせたらそれでいいじゃんと思っていたので、さと子の反応はある程度は文句は言うじゃろうなとは思っていたが、そこまでセコイことを言うとは思ってもみなかった私であった。
さと子はこういった、損得勘定で物事を見るところがあって、子供たちが喜んでいたらそれでいいというような感情にはならなくて、常に周りと軋轢を生んでいた。その中で、自分がやりたいことに関するお金は、先の尾道に行った時のところでも書いたが、見境なしに金をつぎ込むところがあるので、それがめぐりめぐって、韓国の新興宗教に、私が汗水流して働いて得られた給料の大半をつぎ込むという結果につながっていったのである。所詮、自分が働いて儲けたお金ではないので、いくら使っても家計に響くとか、痛みとか感じなかったのだろうと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます