第33話 モナカのCR‐Zを追い抜いたのは

モナカの白いホンダCR‐Zに背後からパッシングライトを浴びせて追い抜いて行ったのはベンツでも他の高級車でもなかった。


車体はモナカのCR‐Zよりも低くて、鮮やかな黄色。それはモナカがホンダ店で見たケイジドウシャ、エスロクロクマル(S660)であった。


モナカは反射的にアクセルをめいっぱい踏み込みながら、クルマ屋さんでの会話を思い出していた。


「…エスロクなら出ますね、たぶん」


もらったカタログ「HONDA S660」を毎日熱心に見ていたモナカが気になっていた小さなケイジドウシャなのに140キロが出せることを、この目で確かめたくなった。


モナカのCR‐Zの速度計が130キロを超えたが、100㍍くらい前を爆走するエスロクにはなかなか追いつかなかった。

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