第20話:権力者と権力者はよく争う
フォーティーン、20歳、帝国の王である。
私は絶対悪となると決めたあの日から国を作り始めた。
神を信仰しない、ナンバー教に与しない人類を集めて帝国を作り上げた。
……はずなのだが、いつの間にか私が信仰対象となっていた。
この人類に刷り込まれた宗教というものは厄介なものだ。
ただ、今回はそれに感謝するほかない。
予想通り戦争は起きた。
何のとりえもない国が豊かな国を妬んで攻入ったのだ。
国家というものは貿易や国交により成り立つもの。
しかし、それを教える者達は現在まで現れなかった。
私もそうだ。そういった政は不得意だ。
だからこそ、私は私のやり方で争いを止めることにした。
帝国、その名の通り強大な軍事力を所有する国家だ。
私はこの国を操り、争いを行った国を粛正して回ることにした。
こうすることでヘイトは私の国に向く。
私自身にも、向くかもしれない。
しかし私はやらねばならない。
私は、我が国は絶対悪となる。
この手記を見ている人よ。
忘れるな。争いはどんな場所でも起こりうる。
たとえ争いたくなくとも、戦争でしか得られない戦果が存在する限り、戦争は起こる。
時に君はじゃんけんをご存じだろうか?
私はこの遊びが大好きだ。
運の勝負かと思えば、高度な心理戦にもなりうる。
我が国では重要な事項はじゃんけんで決めている。
忘れるな。転生賢者の言うことは絶対だ。
君が賢い人間ならこの意味が分かってくれるだろう。
いいところで、このことを思い出してほしい。
君が国政に明るいことを祈る!
クリア歴130年、帝国の樹立により戦火が鎮まる。
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