第19話:争いは進化の素

フォーティーン、10歳、ナンバー教でぬくぬくと育てられた軟弱な転生賢者の14号目だ。


このままではいけない!


人類の進化には争いが不可欠だ!


たとえ人同士でなくとも悪は必要である!


悪、敵がなければ悪意は無差別に攻撃を行う。


我々転生者という強者に向かう可能性もとても高い!


ならばどうするか?


敵を用意すれば良い!


我々の目下の敵はモンスターだ。


武力を行使し、知恵を絞り出し、このモンスター達を駆逐する必要がある。


必要最低限、滅ぼさないように。


まだ生物の生成されるスピードは把握できていない現状、攻入るのは悪手だろう。


国家防衛を主軸に兵を育成し、来る日に備えて戦力を整えよう。


もちろん、争いがない世界が理想だ。


だが理想でしかない。


人が二人いれば争いは生まれる。


ならばどうすればいい?


共通の敵、絶対悪を作る必要がある。


現在はモンスターというデコイがいるが、今後、悪意がそれを上回る可能性はとても高い。


何故か?人類が繫栄しているからだ。


モンスターの絶対数に対し、人は数が増え続けている。


繁栄の代償として増し続ける悪意に押しつぶされていく。


そういった歴史は昔から続いている。


もしかしたら、その悪意は近いうちに身内に向くかもしれない。


手は早めに打っておくべきだ。


私はこの世界の絶対悪になる。


クリア歴120年、人々とモンスターの戦いが激化する。

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