第11話:想像は意外と難しい

現世名エイト、30歳になりました。


で、出た!


出たって何がって魔法が!


ナインのとんちき暗唱で出ちゃったよ!


「深淵より来たれ、我は地獄の門番なり、闇夜を照らす光をここに!ヘルファイアー!」


「そんなんで出るわけ……嘘だろ!?」


「わー非科学的だ!」


え?毎回この厨二病な呪文唱えなきゃならんのか?


というと、そんなことはなかった。


あくまで呪文はイメージを固めるために必要なものの様だ。


例えば火が出したいのなら火をイメージしながら「火!」と叫ぶ。


これで魔法が発動する。


非常に危ない。ということで制約を付けることにした。


とんちき呪文はいただけないが、呪文を決めるというのはいいかもしれない。


ということで呪文を決めた。


火の魔法は「ファイア」、風の魔法は「ウィンド」、水の魔法は「ウォーター」、岩の魔法は「ストーン」、氷の魔法は「フリーズ」、光の魔法は「ライト」、闇の魔法は、「ダーク」回復魔法は「ヒール」。


他にもイメージできる限りの言葉を呪文として英語に変更した。


皆にこれを周知して、魔法とは呪文を唱えないと使えないものとして刷り込む。


これで事故は防げるだろう。


魔法の使用は生活の向上に非常に役立つだろう。


特に回復魔法は医療がまだ発展途上のこの世界において重要なファクターになるだろう。


傷の治療は魔法で、病気の治療は医術で、何とか命をつないでいってほしい。


かくいう私の寿命もおそらくあと十年程度だ。


現代は40歳程度が平均寿命になっている。


これを10年延ばすのに何年の月日がかかるだろう?


そう考えると途方もない。


でもいつか、転生賢者達がそれを成し遂げてくれると信じている。


なんせ、何らかの専門家が多いのだから、いつか寿命を延ばす天才も出てくるだろう。


目下、医学的知識に精通した人間が欲しい。


ツーの時代よりも文明が発展している現代にこそ来てほしいのだ。


まぁその辺は次の転生者に期待しよう。


クリア歴40年、世界に魔法が生まれた瞬間である。

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