第5話:転生賢者の愉快な世界開拓記

朝比奈静香、40歳になりました。


そろそろ個体識別名がないと困るレベルにコミュニティが成長しました。


ということで名前をつけよう!


太郎、次郎、マイケル、イーサン、リリー、エミリー、松子、竹子、梅子……とにかく覚えている限り、思い付く限りの名前を配っていった。


「他になにか思い出せる人~!」


「ウッドやスミスといった役職名を名前にした歴史もある。」


「もう被ってもいいからとにかく着けよう!」


けどひとつだけ、転生者だけは制約をつけた。


それは数字、英語の数えの名前をつけること。


こちらの世界に来た君にはこれだけの味方がついている!


そんな思いを込めて私と守君とハンターは名前を「ワン、ツー、スリー」に改名した。


まだまだ、この世界には転生者が沢山来るかもしれない。


少し、そうなってほしいな、という思いもこもっている。


今後のこの世界がどの様に進んでいくにしても、転生者の存在は大きな影響を与えることとなるだろう。


その歴史を少しづつ綴っていこう。


いつか、転生者達も、こちらの世界の人間も、平和に暮らせる世界になるように。


わかりやすい方がいいよね。私達のような、なにも知らない子供でもわかるように。


そうだな、「世界開拓記」なんてどうだろう?


ほら、聞いてるだけでワクワクしない?


これを読めば、世界の全てがわかる!みたいな。


いいじゃんやろう!ということで、ここまでの記録を残してみたわけだ。


この記録を次の世代に引き継いでいこう。


朝比奈静香、改めてワン、40歳、こんな時代でも結構やれた方じゃない?


願わくば次を引き継ぐ誰かが、面倒くさがりではないことを祈る!


それでは、ここまでの歴史は、ワン(前世名:朝比奈静香)がお送りしました!


紀元前20年、名付けの文化と世界開拓記の誕生である。

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