第1話:異世界転生ってもっと夢のあるものじゃないのか

目が覚めると冷たい地面に横たわっていた。


え?おかしくね?私は暖かいベットの上で明日のテレビ番組を楽しみにしながら眠りについたはずなんだけど!?


そうか、もしかして死んだのか。


ということはここは地獄か。


なんでさ神様、私何にも悪いことしてないよ。いやというかできないよ。


生まれた時から病院のベッドの上で頑張って生きていただけの私が地獄行きとかほぼすべての人類が地獄行きだぞ!?


あれか、夏場に蚊を5匹くらい殺したからか?


だとしたら本気でごめんなさい。


許してください。だってものすっごく血を吸われていたんです。


現実逃避はこの辺にして、何事だ!?


起き上がろうと地面を触ると、なんだこれ、手が、小さい。


これは……赤ちゃん?


状況を整理しよう。


私は赤ちゃん。地面は岩場。回りを見回すと誰もいない。


なんだ!?ネグレクトか!?いやその前に赤ちゃん?


……赤ちゃんだー!?


前世ではお世話になりました。お父様、お母様、私はどうやら過去に転生してしまったようです。


いやいやいや、時間は不可逆だろ!?


ということは、異世界?


異世界転生ってこと!?


文明はどうなってるんだ!?


洞窟?で出産とか歴史番組でもなかなか聞いたことがないぞ!?


落ち着け、落ち着け、冷静に考えろ?


歴史はどれくらいだ?原始時代?白亜紀?


そんな時代で赤ちゃんからスタート?


……絶望しかなくね?


これから先、私どうなっちゃうのー!?


紀元前60年、これがはじめての転生賢者誕生の瞬間でした。

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