夏場に怪談話を友達とした夜のことです

 夜遅くまで話が続いて、疲れもでてその日は泥のように眠ったんです。

 起きてって名前を呼びながら呼びかけられたんです

 たしかに母親の声で、

 何も考えず返事をして働かない頭で重たい体を起こして目をどうにかあけたんです、時計は午前3時を指していました。

 まわりを見たけれど横にいるはずの母親はいなくて、

 あぁ…寝ぼけていたのかなと思ったけれど、すぐに違うことに気づきました。

 なんてたって自分の背後から小さい声のようなものが聞こえて、そのうえ夏なのに凍るように冷たい空気がスゥーっと体にまとわりついてくるんです。

 あぁ、しまった…


 丑三つ時に、名前を呼ばれても応えてはいけない。


 友人の話した怪談の一つにそんな物があったことを思い出し

 自分はこれからどうなってしまうんだろう、取り憑かれてしまうんだろうか…はたまた殺されてしまうんだろうかと考えていると、

 耳元に冷たい空気がやってきて、そっと


「やっと、応えてくれた」



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