第40話 もしや…?!
ウールたちの処遇も決まり、今度は『ゴースト』をどうするかについて話し合いが行われた。
ゴースト、ことスティーブンソンは、簡単に復讐を諦めそうにない。
しかも、
ごもっともな話だ。命を狙われて、おとなしく死ねとは言えない。
それにゴーストは、機会があればいつでも敵討ちをしに行くであろう。
とてつもない執念で危険なので、しばらくの間は檻の中に入ってもらうことになった。
「おい!なんで僕が入ることになるんだ!?おかしいじゃないか、犯罪者はあっちだろう!」
ゴーストが声を荒げる。
「黙れ!お前が落ち着いて大人しくするんだったら出してやるけど、今のお前はコミュニティの和を見出すやつなんだよ!」
このような塩梅で、護衛と言い争いをしている姿をよく見かける。
サンティティも何度か説得しようと試みたが、その度に「裏切り者」と一蹴される。
そもそも、ゴーストの愛人だったサイードも、第七区では悪行の限りを尽くしていたギャングのリーダー。あまり彼に同情は集まらなかった。
⭐︎⭐︎⭐︎
現在、第六区のコミュニティは元々の第四区のコミュニティの人々と合わさり、大コミュニティとなっている。
リーダーはグレースの父親ノアで、副リーダーはグラシリアが務めることになった。
とはいえ、実質グレースの発言権が非常に強く、彼女は「裏リーダー」とも言われた。
もはや、第一区のコズモたちのグループに匹敵する数だ。
相変わらずの食糧難ではあるが、グレースが「危険な生物」を嗅ぎ分ける能力を持っているということで、人々は比較的安心して狩りをすることができ、徐々に外にも出て狩りを行うようになっていった。
ディアボロ討伐から三週間目…ある程度の秩序が確立されつつある。
「何か思い悩んでいることがおありですか?」
ペンタクロンが深刻な顔をして思いに耽っていたノアに話しかける。
「あ、神父さん、いや、悩み、というわけではないのですが…」
「ただ喋りたい人の話を聞くのも我々の仕事です。もしよろしければ、話してみませんか。」
「あ、はい。あなた達イブキ教の方々には、コミュニティの人々にカウンセリングをしていただいて助かっています。ただ、これは私の問題、というより、今日の朝、少し気になることを言ってきた人がいまして。」
「はは、私の場合はカウンセリングとは少し違いますが、なんですか、その気になることというのは。」
「いや、ただの妄言なのかもしれません。」
「ただの妄言にそんなに心配そうな顔をしているのですか。」
ペンタクロンはニコニコとしている。
ノアは表向きは勇猛果敢な男ではあるが、その実なかなかの慎重派で、意外と小さなことに拘ったりもすることをペンタクロンはよく分かっていた。
「いやはや、お恥ずかしい限りですが、今朝訪れた男のことが、どうも気になってしまいましてな。なんせ、不吉な事を言うもので。」
「ほほう、不吉な事、ですか。」
「はい、占い師か何かは知りませんが、1ヶ月半後に二体のモンスターが来るから、すぐにオムニ・ジェネシス中で連携して戦う準備をしろとか言うのですよ。しかも、なんでそんな事がわかるんだ、とか言ったら、夢で見た、とか言うのですよ。」
夢で見た、というセリフにペンタクロンが急に真剣な顔つきになる。
「いや、神父さん、妄言です、妄言。そいつは『私の夢は絶対に当たる』とか言ってね。『準備しないと、今度こそ本当に全滅するぞ』って、そんな事を言い始めたわけで。そんでもって、気色が悪くなってですね…」
ここまで喋るとノアはペンタクロンが目を見開いて凄い形相になっているので思わず口を閉じた。
「今、その方、どこにいらっしゃいますか!?」
ペンタクロンは興奮した様子でノアに迫った。
第41話「教皇様」へと続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます