第24話 凪~フリーズ~

始まりは凪だった

水面は永久に続き

そこには万象が写っては翳る


ある時風が起こった

生命の開始である

波が起きて世界は象られる

世界の始まりである


波は重なり合い、様々な形を成した

それが色の創始であり、形の創始であった


風が起こってより世界は揺れ動いた

だが、風がいずれ凪ぐように

波も、ちゃんと止んだから

また宇宙が凪いだから


世界凍結

凪=フリーズ

エデンの園配置の先へ


それが世界なのだとしたら

僕は何をしたいだろうか

詩を書きたい

歌を歌いたい

きっと僕がしたいのはそれだ


誰にも読まれなくたっていい

世界が認めてくれなくてもいい

せめて僕だけは

僕だけは僕の書いた詩を読もう


それがレゾンデートルなのだとしたら

僕はきっと僕の紡いだ詩を読むだろう

僕はきっと僕の奏でた歌を歌うだろう

だから僕は詩を紡ぐ

だから僕は歌を歌う

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