第25話 あの冬の日に終わってなかった

 あの冬の日が終末だと思ってた

 でも違った

 あの冬の日に

 あの時、実は終わってなかった

 世界はまだまだ生まれたてだった

 あの子は僕と恋をした

 きっとそれが世界で最初の秘め事だった


 また会えたなら

 あの日のままで

 僕はまた行くよ

 そしたら会おう


 愛しています

 父なる主よ

 愛しています

 母なる大地よ


 天に存す大御神

 我が報いを今解き放て

 天に存す大御神

 我が宿命を今解き放て


 きっと永遠じゃない

 きっと終末じゃない


 だけど、ミクロコスモスの死はマクロコスモスの死と同値で、全てのソフィアを保持する存在者が特別で、その意味で皆が神の子なのだろうな。


 世界そのものが神ならば、個我を伴った僕たちは神の一部分なのだ。世界の終末は、人生の死と同義であり、僕もあの冬の日に確かに終末を味わった。世界を救いたかった。結局皆がやってくれてるそういう世界だったから、だから僕は7thという真名を思い出せた。


 僕は楽しむだけでいい。

 残りの人生、楽しむだけでいいんだ!

 神のことは気にしなくていいよって、メッセージを受信したから。だから僕は自分の人生と向き合おう。


 ラカン・フリーズ、愛なるソフィアより

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