2作目:Nightfall-ブレイカーズ-

タイトル   :Nightfall-ブレイカーズ-

キャッチコピー:死者はナイフを突き立てる。この世界で生きていた証を刻むように。

著者     :46(shiro)様

https://kakuyomu.jp/works/16818093087200383329


○はじめに

 あくまでも個人的な感想です。


※1万文字まで読むという本企画の規定に則り、読んだのは第1回~第5回の途中までになります。



○タイトルについて

 2連続で恥をさらすようですが、『Nightfall』という英単語の意味が分からず(滝汗)

 夕暮れ、逢魔が時。なるほど。


 英単語の意味が分かる分からないはともかくとして、タイトルが端的でいいですね。

 内容が想像できる長文タイトルもいいですが、こういうスパッとしたタイトルも好きです。



○キャッチコピーについて

 ゾッとするキャッチコピーです。

 一度見たら忘れられない、まさに恐ろしいホラー!

 タイトルが短い分、こちらで読者の目を引く必要があるのですが、見事に役割を果たしていると思います。



○あらすじについて

 前後に空行をおいての、『死だ』という一文がまず目に入ります。

 それだけで背中がひんやりするよい演出だなと思いました。


>「冗談じゃねえ。怨霊なんて、どいつもこいつももれなくクソだ」


 あらすじに入っている唯一のセリフが、主人公の性格と心情を的確に表しているように思います。

 主人公のキャラクター性を読者に見せるのに、『決めゼリフ』をあらすじに、どーんと置くのは素晴らしい手法ですね。

 分かりやすく読者をキャラクターと物語に誘う効果があると思います。



○冒頭(1段落目)について

 空白を多めにとって、他の文章より目立たせています。

 『それ』に強調点をつけることで、普通のモノではないと端的に読者に伝えられています。

 ジャンルホラーということとあわせれば、最初の『それ』という2文字だけで、幽霊かそれに類するものだと読者は自然に理解(あるいは想像)できます。

 言葉の無駄遣いがない、理想的な冒頭だと思います。



○第1回について

 霊感があるが故に、幽霊を避ける主人公。

 通学路という言葉でちゃんと学生だと伝える配慮がにくいです。

 何も起こらないのかなぁとおもっていたら


>それは、とんでもない思い違いだったわけだが。


 という文章で、これからハラハラする展開が起きるのだと読者に期待させます。


 スマホゲーで遊ぶ主人公は、いかにも現代の学生っぽい演出です。

 こういう『ちょっとした学生あるある』をいれるのは、現代日本の学生モノを書く上で、忘れがちだけれども大切なことですね。

 僕はつい忘れがちになるので心しておきたいと思います。


 日常あるあるから、一気に恐怖体験へと突き進んでいく展開が素晴らしいです。

 なんというか、文章にスキがない。無駄がないと感じました。


 気になった点としては、本文を読んだだけだと第一回を読み終わっても、憂喜が何年生なのか……というか、小学生か中学生か高校生なのかも分からないところでしょうか。

 あらすじに書いてあるから……というのはもちろん理解できるのですが、本文だけを読んでも、第一回がおわるくらいまでには知りたいところだなぁと思いました。



○1万文字読んでの感想(全体)

「すごく高校生している」というのがまず最初の感想です。

 学生生活をリアルに書くのって、意外と難しいんですよね。

「ああ、高校時代ってこういうことあったなぁ」と思わせる箇所が節々にあって、それがすごく良かったです。

 学生生活をリアルに描けるのは作者様の絶対的な強みだと思います。


 このあと、ホラー展開に行くのだと思います(少女が近づいてきていますし)

 だからこそ、地に足の着いた一般的な学生生活をきちんと描いておくのはとても大切でしょう。



○1万文字読んでの感想(文章)

 とても読みやすい文章です。

 1万文字読んで『あれ? これどういう意味?』と思った箇所は一つもありませんでした。


 無駄が無いけど必要なことはちゃんと書いてある。

 しかも、『遊び』的な要素もいれてある。

 読者フレンドリーな文章、文体だと思います。


○最後に

 1万文字読むという今回の企画の性質上、本格的なホラー展開が始まる前までの感想になってしまったわけですが、企画終了後、ホラー展開の部分も続けて読んでみたいなと思いました。

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