第2話 最弱と理由
「ふぁ〜おはよ」
「おはよう、一人で起きれたね」
「子供扱いすんな」
朝起きて茜が作ってくれた朝食を一緒に。
「本当にいいのか。俺より早く起きて、当番制にしない」
「ダ〜メッ。透吾普段料理しないくせに強がっちゃって」
「ぐっ、俺だってその気になればできるし」
「じゃあ、何が作れるの」
「……カップラーメンやインスタント食品ならできる」
俺の答えに頭抱えて呆れる目で見る茜。
「それ料理の分類に入らないから」
何も言い返せない。俺でも料理が壊滅レベルだと思ってる。
「そういえば昨日は助かった。あん時茜が来なかったらヤバかった」
「もう、だから私と一緒行動使用っていつも言ってる矢先に」
頬を膨らますがこれはこれでかわいい。けど
「分かってる。けど俺は茜の荷物になりたくないんだ」
「透吾……」
「知ってるだろ、周りから俺のことを“最弱“なり“桜木の腰巾着“まで言われる始末さっ」
「……」
「だからこそソロでダンジョンを攻略できる実力者にならば誰も俺のことを馬鹿にしなくなる」
「…………もしかして、今日も一人で潜るつもりなの」
俯きながら声がいつもより重い。こんな茜は初めてだ。
「そんなことで危険な目に逢う必要ないじゃないか」
「……なぁこの話しやめにしない。俺も言いすぎた」
「……そうね。でも無茶だけはやめてね」
♦︎
「ねぇ桜木さん。よかったらこの後俺達とダンジョン攻略しない」
「えっと……」
放課後。隣のクラス『
茜はグループで行動するタイプだが、10階層をソロで攻略したことで一気に人気者になった。
顔の容姿も含めて茜に告白する連中もいるがことごとく振られて玉砕してしまう。
……俺だって茜のことを、いや今はやめておこう。この気持ちはまだ
「だったら、透吾も一緒になら」
「あぁ、そこの足手まとい君。俺はいいけど二人はどうする」
茜はどうやら俺を一人で攻略させない気で俺を誘ってる。だが檜山や他の二人は苦笑して俺を拒否したがる。まぁ分かってはいるが
「俺は遠慮しとく、茜今日はそいつらとパーティ組んでやれ」
「で、でも……」
「いいから……俺のことは気にするな」
笑顔で言いなが茜は頷いき、檜山達とダンジョンに向かいながら教室を後にした。
教室でポツンと残った俺もそろそろダンジョンに行こうとした時
「あれ?なんで俺の机の上に魔装石が……でもなにか違う」
見た目は円形で紅く、中心部には赫く光っている。さっきまでなかった筈なのに、一体誰が……
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