ダンジョン無双最弱からの成り上がり

赤倉伊月

第1話 最弱と幼馴染

 「てぇや!」


「ごきっ!」


「よっしゃゴブリン撃破!」


ゴブリンを木刀で撃破した俺こと『速水透吾』


今俺はダンジョン一階層でゴブリン退場してた。


 高校2年生。今俺はダンジョン一階層にいる。


 10年前突如現れたゲームやweb小説でしか存在しなかった物が現れた。

 巨大な螺旋の塔になっておりそこを潜る者達のことを『冒険者』と呼び、日々迷宮を探索している。


 最初は皆ダンジョンを怖がっていたが今ではすっかり当たり前になっていた。

 もちろん資源やダンジョンの管理は国が管理することに。


 

 出現したダンジョンは今各国に存在し、まだ誰もダンジョン制覇できてないとか。だから俺は最初の制覇者に到達する為放課後、修学旅行で買った木刀で毎日ゴブリンやスライムを倒す日々。


 「さぁって、経験値は」


 ズボンから取り出した一枚のカード。『ステータスID』冒険者にはなくてはならない代物。ここにある情報は今自分がどれだけレベルアップしたか


 カードを確認するが


 『速水透吾 Lv3 』


全然成長してなかった。俺がここ潜って一年、まだレベルが2つしか上がってないことに。


 「あぁもう!こうなったら2階層で鬱憤をはらす」

そう言いながら階段を登った。


 ♦︎


  「それ!」


「グルル!」


「やっぱこいつの早さはケタが違い過ぎる」


2階層で今相手してるのは。銀色の毛と2本の角をつけた狼『スティングウルフ』


「ッ!」


スティングウルフは俊敏さで早く、そして先端の角を刺されたら完全に逃げられなくなる。


 今の攻撃なんとか避けられたが


  「グゥルル!」


やばい、でも


  「おいどうした犬っころ。お前の餌はまだピンピンしてるぜ」


人差し指でこっちにこいとジェスチャーで挑発。

 何かプツンときたかスティングウルフは勢いよく俺に襲いかかってきた。


 「狙いどうり」

「グル?」


直様角が岩壁に刺さり抜こうとするが抜け出さずその隙にスティングウルフを木刀で叩き斬った。


 中々倒しづらく8発もするころようやく消滅し、アイテムがドロップした。


 『魔装石(銀) スティングウルフの角x2 』


「おっ中々いいのが上がったな」


モンスターの中には倒されるとアイテムとして落としてゆくこともある。


 「さぁって今日は良い収穫したし、茜に気づかれる前に撤収……ん?」


アイテムを拾い終わり帰ろうとした時。奥から何かが見え


 「……ッ!ヤバい」


  本能的に察知して逃げようとしたが遅かった。


  「マジかよ!他にもまだいたのか」


それはさっき倒した別のスティングウルフ。

 しかも5匹で俺を囲い込んで嫌がる。


 仲間がやられ怒り新党か。


 「くっ、このままじゃヤバい」


その瞬間次々とスティングウルフ達は後ろからくる炎の矢で爆ぜる。

 どれも一発で決めあの厄介だったスティングウルフを倒すなんて俺の中ではただ一人知っている。


 「やっぱり、また無茶して2階層に」


呆れたため息の声の主に振り向き


 「ゲッ、やっぱバレた」


「バレバレよ。いつも放課後私抜きでダンジョン潜るから」

 

そこにいたのは俺の幼馴染『桜木茜』


 茶髪でポニーテール、ちょっとお姉さんみたいな感じのお節介な幼馴染。


 彼女の実家代々弓道の家系でゆみの命中率は百発百中。おまけに炎魔法を会得してからますます破壊力ましてる。


 「何度も言っているが叔父さん達が海外に出張してるからって、私抜きで危ない真似は絶対させない」


相変わらず美人なのに圧が凄い。


 「……わかってるけど、俺も一度でいいから危険な橋を渡りたいお年頃なのっ」


「へぇ〜私と同じ歳のくせに」


「うぐっ」


やっぱ茜には勝てる気しねぇ。


 「さっ、そろそろ日がくれてきたから帰りましょう」


「あ、うん」


♦︎


 「なっいつも思うんが」


「ん?急にどうしたの。今カレーができるから」


俺の両親は二人とも海外出張で家には俺しかいなかった筈が


 「いや、毎日俺ん家にきて朝から晩までご飯を作ってなんか悪いなっと思って。茜も家に帰らなくていいのか」


「あぁ、叔父さん達が出張に出るからしばらく透吾の面倒を見てくれと」


「おい、それ直接本人の了承必要だろう」


「別にあんたのことだ。これを気にほぼ毎日ダンジョン三昧で体調管理を無視続けぶっ倒れる」


ギク


 「それに私の両親からは予め説明してるから問題ない。むしろ透吾の方が心配」


俺を気にしてるとこは嬉しいが


「いいのか俺男だぞ」


「だから」


「…………」


「なんで黙るなよ、言い出しっぺのクセに何にも考えてーー」


「同棲になっちゃうかなぁって、あはは」


 やっぱなんか恥ずかしいが、何故か手が茜は俺から顔をそらす。


 「……」


よく見ると顔が赤くなってる。何か気恥ずかしいみたいに無言になり目もぐるぐるしているような。


 「大丈夫。もし嫌だったら叔母さん達に連絡するからーー」


「わぁああああああ!」


「なっなんだよビックリするじゃないか」


「それはこっちのセリフ!何人の許可なしに母さんに連絡を!」


 「えぇええ」


明らかに何か同様してる。なんでまだ顔を赤く恥ずかしいがってるのかを


 「……とにかく今日はカレー食べて早く寝る明日も早いし」


「あのぉ茜さん。そんなにせかしてどうしたの」


「なにか」


急に低い声で圧をかけると何も言い返せない。


  そのあと俺は部屋に入って爆睡した。



 ♦︎


 「うっっっっ!透吾のバカ」


洗い物をしている最中さっきのことが頭から抜けず。


 「これじゃまるっきり透吾を独占するみたいじゃない」


ここにいるのは透吾が危険な目から守る為に。

これ以上透吾が傷つくとこは……見たくない……


「透吾はまだ知らない。ダンジョンの恐ろしさを」


 私が火魔法をどんな思いで手に入れたかを




 


  






 




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