トイレ失敗ボーイ。困惑おばさん。

 クロがおむつ戦士になってはや数日。

 ぐったりと寝ている間、お漏らしをしないか心配になるがおむつを着用していると、その心配がなくなる。おむつとは素晴らしい製品だ。


 クロ自身は違和感がないらしいが、どうしてもトイレで用を足したくなるようだ。おむつをつけていても、トイレへ移動する。

 ヨタヨタとトイレへ向かう後ろ姿をストーキングし、トイレに入る前にサッとおむつを外す。中へ入りチップをかき分けながら用を足す彼の姿は可愛いものだ。

 その後、すぐにおむつを着用する。

 そのルーティーンが私とクロの間にあった。


 しかし、事件は起こった。クロがトイレ前でお漏らしをしたのだ。


 彼がトイレに向かう最中、いつも通りストーキングしていた私はサッとおむつを外した。いつもならトイレの中に入るのだが、その日は違った。


 トイレ外でおしっこの体勢を取り始めたのだ。


 私は思わず「クロ!やるんだな!?今!ここで!」と叫びながら彼の真下に近くにあったトイレシートを差し込んだ。

 ドヤ顔で用を足すクロの表情は、可愛いものだった。

 しかし、彼は壮大に失敗していた。それさえも可愛いんだから、猫という生き物はすごい。

 おもらししても、彼らは神々しい。


 しかしながら、こういう事故が起こるのを防ぐため、今後はきちんとおむつを常時つけるようにすることにした。

 だが、かぶれなども気になる。おむつをしようしている愛猫家はみんな、定期的にお尻を洗ったりするのだろうか。

 一度、うんちをした時に洗ったがひどく拒絶をされた。


 うむむ。洗うストレスを感じさせるより、お尻拭きで拭いたほうが良いのかもしれない。

 介護とは難しいものだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る