夜這い猫
愛猫であるクロは私が布団に入った途端に鳴きながらベッドへ上がり、布団の中へ強制的に入ろうとする。芋虫のように布団に包まり、彼の侵入を妨害しようとすると、それでも無理やり入り込もうとするのだ。
それが可愛くてわざと丸まり、彼が入れないようにする。「入らせろ」と不服そうに鳴き声を上げるところも、また愛くるしいのだ。
病気になってから、それがなくなってしまった。
元気もなくなり、一緒に寝ることも少なくなった。
しかし、昨日。久しぶりに彼が夜這いをしてきた。
私は嬉しくて数分間、彼と攻防戦をした。
どうしても一緒に寝たかったらしい。
昔(と言っても二か月ほど前だが)に戻れたようで泣きそうになった。
このままガンが消滅して、元気になってくれたらいいなと思う。
ありえない話だ。
けれど、ちょっとぐらい希望を持ったっていいじゃないか。
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