第2話 廻り道


ちょっとだけ廻り道をして

遅れた入学式。


1つ遅れて、私は高校に入学した。


「美紅(みく)…さん?よろしくね!」

一際目立つのだろう、距離を置かれる私。


髪の毛は今どきか分からない

金髪のギャル髪。


メイクは自己流。


皆の色に染まるのが嫌いで

どうしても、嫌いで。



「あぁ…よろしくね」


笑顔、作ったはずなのに

引かれてしまったのかな。


よく分かんないけど

人に構ってる暇なんて無い。


私は完全に

社会不適合者になって

アルバイトをしながら

身体を売っていた。


ケータイでカチカチと出会い系サイトを探し

「ホ別ゴム有苺」

(ホテル代別、コンドーム有り、15,000円)


と、募集をかけた。


顔画像なんて載せたら

そりゃ、募集も来るもので。


ギズモノの私を弄ぶように

オジサン達は群がる。


面白い世の中だ。


「親は知ってるの?」

うるさい。


「なんでこんなことしてるの?」

うるさい、うるさい。


「お母さん、泣いちゃうよ?」

うるせぇよ、黙れ。


私は要らない子なんだよ。

産まれなきゃ良かったんだよ。


気安く聞いてどうすんの?

お前らのオナニー道具なんだよ、私は。


なんて言えない。

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