謎夢少女、残ノ行方。(第七話)
私は12月19日の新聞の切れ端を職員に見せた。
「すいません、あのファイルの中にこの12月19日の残りの部分が入ってなかったんですけど、、」
そうすると職員は驚いたように言った。
「おかしいですね、、この図書館にあるファイルは全て毎日職員が新聞を受け取り、中に収めているんです。そのため、この日だけ新聞が入っていなくて、しかも切れ端だけ残っているというのは普通ありえないことです。基本、私たち職員はあのファイルの中はいじったりはしませんし、当然破ったりなどはしません。なぜ切れ端のみ残っているのでしょうか、、、。もしかしたら前に手に取った方が破ったのでしょうか、、。もう一度その切れ端を見せてもらってもよろしいでしょうか?」
私は切れ端を職員に渡した。
「あっ、、、」
職員は何かに気づいたようなそぶりをした。
「どうかなさいましたか?」
私がそう聞くと
「私の口からこのことについてお伝えすることはできません、。」
この職員も管理人の男性や学校の先生と同じことを言ったではないか。
「私、どうしてもこのことを知りたいんです!」
「、、、、。」
職員は黙り込んだ後に、こんなことを口にした。
「なぜこの事件を調べようとしているのですか?」
「この間、これにそっくりな夢を見たんです。」
「夢、、?」
「実は、、、、」
私はこれまでに起きた事情をその職員に話した。
「そうでしたか、、でも奇妙ですね、。」
「だから、どうしてもこの事実を突き止めたいんです。」
すると職員は
「私の古い友人で、元々この辺りの警察官をしていた人がいます。今はかなり年老いていますが、この事件のことはよく知っているかもしれません。よろしければ、その人に事情を話してみたらどうでしょうか。」
私はその人から元警察官の方へ連絡をしていただき、今度の日曜日に合わせていただくことになった。
「本当にありがとうございます!」
私がそういうとその職員は笑顔を見せたが、なにか引っ掛かっているような、そんな表情をしていた。
「お客様、悪いことは言いません。この事件のことはあまり深く関わらない方がよろしいかと思います、、。」
「なんでですか?」
「、、、、長い間この事件のことはこの町のタブーとして扱われてきたのです、、、。私の口からはこれぐらいしか、、。」
「そうですか、、。」
職員の言葉は半分予想通りであったが、私の心の奥底にあった少しの不安がどんどん込み上げてきた。
だけど、今から諦めるわけにはいかない。
私は職員から元警察官の住む住所を教えてもらい、図書館を出た。
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