第6話 お呪い 前(へ進む)編
瞼を開くと一気に眩しい光が瞳孔に直入される。それは太陽ではなく、贅沢なほどに輝く灯の光。霞む視界が整うと、白い綺麗な天井が認識される。そばにあった窓の外は、暗闇に包まれている。
「こ、こは……?」
「あ、ミント!」
すぐ視界にアイビーの心配してくれる顔が覗き込む。
「どこ、ここ……」
「私の家」
「なんで、ここに……あた、た……」
痛む自分の首に手を充てようとしたら、硬いザラザラとしたものが阻む。どうやら、僕の首はギプスで固定されているようだ。
「だ、ダメよ! それ固定してるんだから!」
「な、なにこれ……」
「首が折れて……私の治療がどうにもならなかった……。幸い死には至らないって、エルム先生が言ってたから」
「だ、誰のこと……?」
「通りすがりの医者だって。あの人、すぐに介抱したと思ったら、首の骨をすぐに治したの。あ、治したっていうか、一日の安静ですぐ治せるって」
「そ、うなの……?」
「ちなみにあそこから助けてくれたの、彼だよ」
マリーの視線の先にゆっくりと首を動かしながら目を向けると、薄黄色のロン毛の人が窓のそばで夜空を見上げていた。少し緩やかな風が、長い髪をたなびかせる。それが星と重なって、綺麗な黄金色となって仄かに輝いていた。僕はゆっくりと起きるや否や、その人に謝礼の言葉を贈ろうとした。
「……えっと、助けてくれて、ありーー」
「うーん、今日は流れ星が出ない……。いや、僕の見識じゃ今日のはず……。あ、記録が昨日だった。しかも北側!? うわ、外した……次くるの三ヶ月後だったような……」
「あの……?」
「はぁ、しくじっちゃった……星見れただけでも良しとしよう……」
ロン毛の少年がこちらに振り向くと、その丸い眼鏡の奥の吸い込まれそうな藍色の瞳が、こちらを見るなりメガネと同じ形になる。
「あれ、気がついたんだね?」
「ついさっきね……。何をしてたの?」
「天体観測、僕の日課なんだ」
「へ、へぇ……変わった趣味してるね」
「そうでもないでしょ? 星が好きな人なら天体望遠鏡で観測するくらい。お腹空いてご飯食べてる人に変わってるって言う? 言わないでしょ?」
「……? 例えとして違くない?」
「違くないさ、星だって無数に輝いて……そういえば、どうやって星型になったんだろうね?★」
「分かんない……くじ引きで決めたんじゃない?」
「はずれ、正解はとある古代文明の天井画から由来されていて、身近なもので言うならヒトデかな。放射状のもの、つまり視覚が起因になっていて、五角形の星がいつの間にかモチーフになったらしいよ」
「らしいって……それ合ってるの?」
「前にちょっと調べたぐらいだからよく覚えてないんだけどね」
「とにかく、星が好きなんだね」
「夜空なんてよく見れるのに好きにならない方がもったいないくらいだよ。人生の半分くらい損してるよね」
「そ、そう……?」
頭が回らないせいか、会話が上手く弾まない。そこにアイビーは僕らの会話を止められた。
「会話が何回もズレにズレて原型止めてないんよ。あとミントも訳分からん話題に真摯に答えないでよ、本題から逸れちゃうでしょ」
その眼鏡のロン毛少年は僕の向かい側の椅子に腰を下ろす。
「あの、君の……名前は?」
「ん、あぁ、そうだったね。僕の名前はプラタナス。しがない鳥使いだよ」
プラタナスの自己紹介を終えると、アイビーが続ける。
「たまに街に来てたこともあって、少しだけ知ってるんだ。まぁ、こうなるまで接点はなかったけど……」
「ん、鳥使いってもしかして……あの鳥の?」
「アーロンのことでしょ? 彼が君を助けたんだ」
ちょうど窓から入り込んできた鳥が、プラタナスの肩に乗る。すると、得意げに鳥胸を張って喋った。
「感謝しろよ? 虫の息だったからよ」
助けた? 出会い頭に"雑魚"と言ってきたあの鳥に? 命からがら助けられたとはいえ、思い出した途端腹が立ってきた。怒りを抑えながら、プラタナスと名乗る少年に問いかける。
「鳥使いなのに、天体観測してるの?」
「鳥使いだから天体観測するんだよ。気候を調べて鳥の調子とかをみたりね」
「本当は?」
「鳥使いの肩書き乱用しまくって、流れ星と未知の星を見つけ出したい」
あ、この人多分、天才特有のヤバい欲を持つ人類だ。
「勇者ミント! また新しい仲間ができたぞい!」
「あの、この人が?」
「そうだよ?」
「嫌なんだけど……」
「なんで?」
「だって……そのアーロンっていう鳥に雑魚って言われた」
「ただの挨拶がわり、口悪いだけ」
「ねぇ帰りたい……」
「帰る家はないぞい!」
「さては敵から台本パクったな?」
扉の方からコンコンとノックする音が聞こえ、振り向くとワゴンを運ぶハイドの姿がそこにあった。
「なんの話でしょうか。お食事でございます」
「会話に入りながら仕事を遂行する高等テク流石完璧メイド略してさす完ド」
「卑猥に聞こえるからやめた方がいいと思う……」
「どうでもいいです」
「え、良いの?」
ハイドはワゴンからクロッシュの乗った皿を置きながら淡々と言う。
「この際呼び方は気にしませんよ。卑猥だろうが下ネタだろうが、ゴミだろうが、糞だろうが、×××だろうがどうでもよいです。本日はラムチョップハーブとヴィシソワーズでございます」
「おいじぞ〜!!」
マリーは涎を垂らすが、僕たちは気分が澱んでいた。
「よく食欲示せるよねこの子。料理名の前に……、その……」
「この料理、どうやって?」
「フェクトウェッジ邸にて補充している食料からでございます。衛生面に問題はありませんので、どうぞお召し上がりくださいませ」
「いや、ハイドのせいで衛生面にデバフかけられてるのよ」
「……食べながら話そう。汚いもの一切無しで」
「あ、それはそうと、メイドさん基、ハイド」
「まだ何か」
マリーは息を少し吸い込んで、真面目な声色でこう言った。
「君が上げたあだ名はどうでもよくても、きっと彼らがどうにもならないから、やめた方がいいよ」
マリーがそういうと、アイビーは少し驚きながらも、すぐに強く頷いた。ハイドは少し理解していない表情で返事した。
「……承知いたしました。心得ておきます」
「マリーのそのテンションの変わりようが意味わからん……」
◆
軽い食事と軽い談笑。過去と離れられるくらい舌鼓も打ちやすい空間。小さな戦場と、悲惨な地域に立つ裏に、落ち着く空間というのは必要だ。むしろ戦うのにも生きるのにも必要な仕事とも言えるだろう。その後、プラタナスの実家の話もされた。
「え、君も旅をしてたの?」
「うん、ちょっと家とあんまり上手くいかなくて……家出しちゃった!」
「そ、そうなんだ……」
元気よく嬉しそうにそう言われた。僕にはあまりにもそれが眩しくて、少しだけ寂しさを覚える。
「鳥の世話とかしてたの?」
「そうだけど、うちの鳥は特別。天の使いと呼ばれてる……、"天鳥"なんだ」
確かに、こんな真の金色の姿を見たことがないし、それだけで普通の鳥とは風格が違うように見える。
「品揃え良さそうな名前だねー!」
「おそらくそれは"店長"でございます」
急に肩書きが安く見えてきた。
「俺様甘く見られてんな。名が出れば、泣く子も黙る"天鳥"様だぞ? もっと敬え雑魚ども」
「僕、そんなのに雑魚って言われたの……?」
「あぁ、そっか。君はアーロンの声が聞こえるんだね」
「ん"っ?」
僕はラム肉を口に咥えていたため、疑問の反応をした瞬間喉に突っかかった。
「聞こえるって、みんな聞こえないの?」
「そう見たい。父親も全然聞いたことないって言ってたし」
「えっ、皆聞こえたよね?」
「何が?」
「だから、天鳥がしゃべってるとこ」
「聞こえないよ?」
「右に同じです」
「我、真なる神の派閥故……」
聞こえるか聞いただけなのに、なぜそこで派閥争いに持ち込むんだこの子は。
「今の所、アーロンの声が聞こえるのは君と僕だけみたいだ。良かった、よく幻聴とか言われて見向きもされなかったから、もう少しでアーロンを信じられなくなるところだった」
「むしろ雑魚って言われたことが嘘であって欲しかった……」
「でも、どうやってあの神殿に? ベーススワローがいたはずでしょ?」
「なにそれ?」
ここで、僕はベーススワローという名前が従者同士でしか共有していないことに気づき、そのことをプラタナスにダラダラと説明した。
「……ということなんだけど」
「あー、そういうことか。壺の魔物でもいいけどね、分かりやすいし。噛み易いんだったら仕方ないか」
「全然噛まないんだけどこの人」
「理解できたんだ……」
僕がいうのもアレだが、プラタナス特有なのか変人故の頭の回転の速さ。さっきから話し方がそうだが、おそらく天才と呼ばれる類だろう。僕の説明はあまり自信無かったが、彼が人間の人知を上回るくらい理解が速いなら問題ないのだろう。
「それで、どうやって潜り抜けたの?」
僕がここでプラタナスに再度会って疑問に思っていたことを問う。
「そのベーススワローとは別に出会いはしなかったかな。場所が分かってたから」
そこにアイビーが目を丸くして、プラタナスに問いかけた。
「出会わなかったって、一度も?」
「うん。僕観測趣味だから、意識的に俯瞰してある程度の一帯を感知するの得意なんだ」
僕はプラタナスの特技を感心していると、マリーが僕に目を輝かせながら距離を詰めてきた。
「ウルトラレアだ!! ミント、この人イベント限定人権キャラだよ!! 絶対性能ぶっ壊れてる!!! あ、でもすり抜けるかも……石もないし……。それなら持ってないキャラがいいなぁ。復刻待つかぁ」
「多分これから先もイベント限定キャラしか来ないよ……?」
それ以前に人をレア度で査定してる時点で、天鳥に"雑魚"と言われるより相当失礼なんだけど。
「僕って、言うほど人権じゃないと思うけど」
「ねぇそれよりどうするの? アスクレピオスの対策は考えてるの?」
「そういうアイビーは?」
「考えてるよ。意見が聞きたいだけ」
「何も思いつかない……。そっちは?」
「プラタナスとアーロンで牽制する。ハイドは?」
「遠距離とバリアを行います」
「近接がマリーしかいない」
するとずっとプラタナスのそばのテーブルの上で止まっていたアーロンが噛み付いてきた。
「俺様は加算されてないわけ? 鳥差別だぞ」
「だったらさっき雑魚と言ったこと訂正して欲しいよ」
「さっき?」
「だからさっき神殿でこいつに雑魚って」
「それは一昨日の話だよ?」
「えっ?」
「だって君、丸二日眠ってたから」
いやなんで最初から言わないのそんな衝撃的事実。まず丸二日も起きなくてこのテンションなの悲しすぎるでしょ出会ったばっかなのに。
「もうちょっと心配されたかったなぁ……」
「でも一番心配してたのアイビーだよ」
「当然でしょ!! 人が死ぬとこなんて誰が喜ぶの?」
「少なくともあの神じゃない?」
「私がいる限り、誰も死なせないから絶対」
アイビーはそう言って、ラムチョップを自身の口に捩じ込んだ。
「ありがたいな。きっと君は誰よりも優しいんだろうね」
プラタナスの褒め言葉を、アイビーは鋭い目つきで睨み、口の中を飲み込む。
「普通のことができなくて何が優しいのよ! マジで信じられない!」
神殿にいた時から思っていたんだが、アイビーの言葉がちょくちょく耳が痛い。そして、妙に胸の奥が寒い。
「なんで? 普通のことができなくても優しい人はいるよ」
突然マリーがそんなこと言い出した。
「そんなわけない!」
「もし裏で悪いことしてたことが過去にあって、足を洗って人によくしようとする人は、嫌い? 場合にもよるけど、人を助け続けてきた真っ当な人が、ある時、絶望して悪いことをせざるを得なかった時は、その人は全部悪いの?」
「人のもの盗んだり、殺したり、悪口言ったりするの悪いよ!! ……でも、そんな人、いるの?」
「いるよ。擁護はできないだろうけど、多分、あなたの中での"普通"に生きてる人しか見てないんだと思うよ」
マリーの言葉に、アイビーはハッとして目を丸くする。
「でもそれは、普通のことをできないことをなんとかバレないように演じてる人でいっぱいなの。中には演じることもできず、正直に生きようとして更に苦しむ人もいるよ。あなたが、人に優しくするようにね」
「そんなの……、ごめん。熱くなりすぎた」
アイビーは渋い顔してこちらに向けて頭を下げられる。
「それはお嬢様の氷が溶けてしまうのでは?」
ハイドは冗談のつもりで言ったのだろうか。アイビーは何言ってるのか分からんと言わんばかりに顔を引き攣らせた。
「そういうとこだよハイド」
「? 何かご不満でも?」
「ないけどさ、ないけどさぁ……」
ハイドの理解のなさそうな表情に、アイビーは頭を抱える。プラタナスがジト目でマリーに問いかける。
「こんな人も含めて?」
「さすが天文学者!! 理解早いてんさーい!!」
声を上げるマリーとは裏腹に鎮まる空気を打ちぎるようにハイドが話を進める。
「本題に戻りましょう。アスクレピオス様をどう攻めるか。未だにご主人様の身柄も掴めていないので、急いだ方がよろしいかと」
「お父様……」
主人のことが出た瞬間から、アイビーは苦渋の表情を浮かべる。
「まず現状として、暴走している原因がよく分からないよ」
その疑問に直面した途端、皆の会話が止まる。僕の脳は珍しくぎこちなくも回転する。そこで僕は、マリーに問いかける。
「マリー」
「この我に何故……」
「マリーだったら、何か知ってるんじゃないかと思って。だって、アスクレピオスのこと、なんというか熟れてる感じがしたっていうか」
「フフン、この我が教えてしんぜよう。ズバリ、あの神は……」
「あの神は……?」
「あの神は……ッ!!」
「あの神は……!?」
「……絶対自分の失敗を認めないパワハラセクハラモラハラオンパレ課長タイプだよね!」
引っ張られて急に梯子を外されたように後ろに転倒し、テーブルがひっくり返る。ハイドはしゃがんで、割れた皿の破片を拾う。
「お皿が割れてしまいました」
「よく冷静でいられるわねあんた……」
僕はよれよれ立ち上がる。
「感想聞いてるんじゃないのに……」
「ちなみにまだ終わりじゃないよ」
マリーは咳払いをする。
「まずね、神というのは人間の認知や願いからできてるの。でも今のアイツは邪神。イヴィルと呼ばれる存在ね。人間の中で悪としているものが何かが凝縮された姿と言ってもいいかも。これらは戦う時に見定めたから、確信はあるよ」
急に真面目に解説されて戸惑ってしまう。
「その何かって?」
「人間の悪意の元凶、コンプレックス、トラウマ、罪悪感、嫌悪感、妬み……なんでもござれってこと。そこでミントに質問!」
人差し指を向けられ、身を引く。
「そういうのに一番効く薬ってなんだと思う? ヒント、ミント氏がよくやることの逆の方法」
「うーん……。え、なんだろう……」
特別な魔法か、それとも他に弱点があってそれっぽいものを使うとか? という予想を立ててみた。しかし、マリーが提示した答えは違った。
「答えは無視。そして解放。相手にしなければ良いんだよ」
意外な返答に、僕の回してた脳が急に止まった。
「は? 待って、アスクレピオスの止め方を聞いてるんだけど」
「卑下する言葉を拾わなければいいんだよ。無視したら吐いた言葉は自分にしか拾えなくなって虚無感に浸るの」
「そんなの答えになってないじゃない!」
回りくどい話に痺れを切らしたのか、アイビーは噛みついた。すると、マリーは真剣な眼差しをアイビーに向けてこう言った。
「アイビー、思い出して。アイツが"死"を連呼した時、一番傷ついたのあなただよね。それであなたは怒りを露わにした、それなのに、どんな顔してた?」
「……喜んでた、と思う」
「でしょ? 何かと似てない?」
「どういうこと?」
「クソガキだよ。クソガキが成長せずに身体だけ育つ。わざと空気を読まないで傷つけるのが大好きな子供。傲慢と言った方がいいかも」
「そうなんだ……?」
言ってる意味がわからないのか、アイビーは目を泳がせる。
「だ、だから?」
「無視した後に、本当の喜びを知らしめるの。分からせって奴だよ。思ってることを吐き出させて、優しく包む感じ」
「あ、なるほど! しばき上げて自分の醜さを思い知らされる程に、屈辱を与えればいいのね!!」
「その意味の喜びだと酷い絵面になるけど」
「その方がいいじゃない!」
高らかに言うアイビーを、マリーは声を低くして静止させる。
「そんなイジメは絶対させないよ。そんなもので喜びを得たら、死ぬまでお互い人格の原型が狂うだけ。最悪、本当に死ぬ方へ導く可能性がある。あなたは、誰かを殺したい?」
「それは……嫌」
「ね? じゃあ、話を続けるね。とりあえず無視した後は、解くの」
「解く?」
「本当の存在の意味を分からせる。暴力暴言戦力一切なしで」
「私が言ってたことと、何が違うのよ?」
「あれは本性じゃない、人格ごと汚染されてるってこと」
「じゃあ、なんらかの方法で浄化すれば良いの?」
「そのための勇者ミントなのだ!」
いきなりこちらに指をさされ、肩が震える。
「なんで僕?」
「君の万年筆は想像通りに動かせる。さっき言った通り、アイツの言葉を無視して、無気力状態を目指しながら攻撃を繰り返す。そして、精神が弱ってきたところでミントがアイツを書き換える。ミントの魔法は、そう言う性能があるのだ!」
僕は自分の万年筆を取り出す。僕の一時の思いが込められてできた武器。これが神に匹敵するもの。それが分かった瞬間、万年筆の重みが増したような気がした。
「急に荷が重くなった……」
「大丈夫、我こそ真の神の使い也よ! ちゃんと使い方教えるから!」
「でもそれって精神論でしょ? そんなんでなんとかなるの?」
「ならないなら言わないよ。これで私の考えに納得した?」
マリーの問いに、まずアイビーが応える。
「うん……まだ浮かばないものもあるけど……」
「予想よりかなり離れていますが、試す価値はあるかと」
「何事も実証だね。賭けてみるしかない」
「それでいいなら……ウッ!」
少し首を動かそうとしたら激痛が走る。
「あ、麻酔が引いちゃった。追加したら神経歪むよね……」
「そ、そうだたの……」
起きあがろうとしたが、立とうとするのも精一杯なほどに首の痛みがしつこく襲ってくる。
「ミントの首のこともあるし、もう少し回復してからだよ。三日後に、アイツのところに行こう。絶対に忘れちゃダメだよ」
「え、首の骨折ってそんな完治できるんだっけ……」
「エルム先生の魔法だよ」
もうその"エルム先生"がぶっ壊れキャラじゃん。
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