第11話
茶髪の男は斜め向かいの別の女子と話していたけれど、いきなり飛んできた緑に驚きつつも、嫌な顔ひとつせず笑う。
「おおーっ、枝豆飛ばすのうまいね」
なんてけたけた笑う茶髪の男は、気まずい顔をする洋に「こんなんで怒らんて」と言いながら「この枝豆はどうする?あーんしましょうか?」と冗談を飛ばす。
「あ、捨ててもらって、はい、ありがとうございます」
男は「そ?」と受け皿に飛んできた枝豆を置くと、おしぼりで手を拭きながら、話し相手を私に定めてくる。
「えっと、何ちゃん?」
「
「洋ちゃんね。どんな漢字書くの?葉っぱ?あ、俺、
なんて全然賢くなさそうな挨拶をする賢人に、洋は「太平洋の、洋です」といつもの説明をする。
枝豆を飛ばしてしまった手前、適当に挨拶だけして会話を即終了させることはできない。
テーブルの上に腕を組んでにかにかとする賢人の横には空になったジョッキが3つ。その額が若干汗ばんでいる。
「洋ちゃんは1年、じゃないよね? もしかしてキャンパス移動組?」
「そうです。文学部で」
「
「(そんなの知るか)」
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