第5話◇アロマの世界◇
佳乃子は美しい顔を緩めて笑顔で言った。
「お客様にあったアロマオイルを一緒に選んで、お客様にブレンドして頂いています。
佳乃子は、カウンセリングテーブルの上に置いてあったタブレットを持って来て瑠璃子の前に置いた。
「ここに書かれている質問事項にチェックを入れて下さいね。沢田さんに合ったアロマオイルをお選びする参考にさせて頂きます。」
そう言うと、佳乃子は木の箱に入った小さな沢山のガラスの瓶を見せた。アロマオイルなど買った事も無かったがオリジナルレンドは高価なのだろうかと不安になった。
「おいくらぐらいかかりますか?持ち合わせあるかしら。」
「アロマの種類にもよりますが、千五百円から二千円位で出来ますよ。」
意外と安価なので安心した。佳乃子に教えて貰いながらオイルをブレンドした。出来上がったアロマオイルを自分の手首にぬって香りを確かめた。ゆっくり吸い込むと、爽やかで優しく、緊張の糸が解れる感じがした。
「いかがですか?」
「良いみたい。これ頂きます。」
「二千二百円です。」
「アロマオイルは、いつ頃、どんな時に使うのが良いのですか?
「ご自身が付けたい時にいつでも良いですよ。」
紹介するお客さんの名前を告げて「アロマサロン・ティートゥリー」を後にした。
その後お客さんに、佳乃子の店を紹介し、店主もサロンも感じが良かったと伝えた。しばらくして、お客さんがアロマオイルは自分に合っているので続けたいが、「ティートゥリー」は家から遠く、足がないので、「れもん薬局」で取り扱って貰えないだろうかと頼まれたのだ。瑠璃子は佳乃子に連絡を取り事情を説明した。
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