第3話 2人の悪魔ガーゴイル

「えっー!」

彫刻のような綺麗な2人の姿が

教会の雨どいの怖い悪魔のガーゴイルになった。でも、何これ!

相変わらず綺麗な顔立ちをしている。

でも悪魔のしっぽはある。

「わーっ!驚いた。これはどういうこと?

ザック、アリュース説明して。」

アリュースが「じゃあ、僕が話そう。」

「そう、お願い。」

「アリア、僕らの教会カテドラルを知っているよね。」

「ええ。もちろん、

アルタ王国のシンボルの黒い教会。

マグマ火山石で建築されているカテドラル。

建築に100年以上かかったのよね。

工期が遅れた理由は間に、大きな戦いがあったから。

空白の20年があるから。

どう?先生、正確?」

「正確だ。さすが女王様、勉強してるね。」

「ありがとう。

私はあの黒い教会カテドラルが好きなの。

だから小さい頃からカテドラル関係の書物は

全部読み漁ったわ。

当然周りの国々からは悪魔の教会だと言われていることも知っている。」

「悪魔の教会ね。」アリュースが少し首を傾げ、ザックと目を合わせる。

今度はザックが「アリア、この国は平和だ。

争いごとも少ない。何故だか分かるかい?」

「この国、アルタ王国の民が穏やかだから。

違うの?」

「それもある。

しかし、もう一つ理由がある。

それは僕らの存在さ。

悪魔ガーゴイル、僕らがこの国を守っているのさ。」

「悪魔がね?」

そう不審がる私にザックが指先から青い炎を

出した。

「ザック、何それ?魔法でも使えるの?」

「まあ、悪魔だからな。」

青い炎を机のランプに灯した。

瞬間、私の女王の執務室が青い炎で線が揺らぎ出した。

アリュースも指先から青い炎を出した。

中に映像が見える。

「アリア、ここはどこか分かるかい?」

「黒い大きな石がたくさん運ばれている。

えっーと、ここ、教会カテドラル?

でも半分しかできていないけど。」

「そうだ。この景色はこのアルタ王国の400年前の景色さ。

よく見てごらんこの工事の現場に女の子が見えないか?」

私は目を凝らして良く見た。

「えっ!あれ私よ。」

ザックとアリュースが声をそろえて

「そう。アリアだよ。」

「えっ?どういうこと。」

「よく見てて。」

ぶどうの山盛りのカゴを持って

黒いマントの男がアリアに近づく。

「お嬢さん、ぶどうをどうぞ。」

「ありがとう。いただくわ。」

食べた次の瞬間、女の子が倒れる。

「アリア様!」みんなの声が響く。

「これって?」

「心配してないでアリア。君は眠っているだけ。

これがこのアルタ王国の空白の20年の始まりさ。」






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