第4話 異世界アルタ王国の20年の空白 始まり

「アリュース、ザックあれはどういうこと?」

アルタ王国の400年前の景色の中、

倒れている自分を見て私は動揺した。

アリュースが「眠っているだけだ。大丈夫だ。

アリアが生きていると困る悪魔達がいるんだ。

僕らも悪魔だけどさ。

僕らはアリアとこの国、

アルタ王国を守るためにいる悪魔だ。」

ザックも「そうだ。」

そう言ってザックの顔が、近い。

私はザックの顔を手で押す。

「ひどいなアリア。

こんなイケメンの悪魔はいないぞ。」

 「2人とも、おふざけは終わりだ。

そろそろ出発するぞ。時空を越える。」

「えー、お願い。」

「用意はいいぞ。アリュース。」

「じゃあ、400年前のアルタ王国へ行くぞ。」

悪魔のガーゴイルの2人。

呪文を唱えた。と同時に

お城の執務室の部屋の線がぐねぐねと曲がりだし、波打ちだした。

激しい光の中へ吸い込まれた。

「ドサ」ッとしりもちをついて地面に転がった。

「ここは?あれ?町娘の服装に変わっている?アリュース、ザック!」

相変わらずイケメンには変わりないが

服装が騎士や貴族でもない。町人になってる。

「アリア、僕らはこの世界ではモブ。

いわゆる、通りがかりの時の住人だ。

時の住人はその時の中に都合よく溶け込めるようになっている。」

「すごい力ね。」

ザックが「当たり前だ。僕らは最強さ。

僕ら兄弟は1000年前の悪魔ガーゴイルだからな。」

「何それ?二人、兄弟だったの?

アリュースがお兄様でザックが弟かな?」

ザックが「アリア、それ逆だから。」

「逆?」

「俺様がお兄様なんだぞ。」

「えっ?ほんと?ザックが?」

「アリア、執務室での僕の働きを忘れたのかな?」

「そうだった。いつも机の上の山積みの書類、

手伝って頂きました。ありがとうザック。

でもザックの場合、執務より護衛の剣のイメージが強すぎて。」

「そうだな。実際、剣の方が得意だ。」

アリュースが「2人とも、いいかい。

よく聞いてくれ。

この世界では僕ら3人は家族。

兄妹だの設定だ。それに念のため髪色を変える。」

そう言ってアリュースは魔法で金色の髪を

3人赤毛にした。

「変な感じね。でも似合ってるかも。」

アリュースが「家も町の中に怪しまれずに造っておいたよ。」

僕ら3人の横を町人のおばあさんが通る。

「こんにちは。アリアちゃん。

いつも兄妹仲がいいね。

じゃまたね。」通り過ぎて行く。

「時の住人。凄い力。最強のガーゴイルね。」

アリュースとザックがニヤリ笑う。

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