【オース大陸】東部に位置する【イベル王国】。

実りある豊かな大地には異なる人種と共栄を図り繁栄を極めてきた歴史がある。

主な産出資源は【クリスタル】で王国には唯一の鉱床が存在し、用途は多岐にわたって宝石や動力に変える加工業が盛んである。

そして、多くの民は古代に実在した【封印の女神】を信仰している為、教会などが多く点在する。

隣国【エルデ】との境界を引いた長壁の要塞があるリネス地方には、荘厳な王都を見渡せる【建国の丘】があり麓には先程まで謎の空間にいた男の姿があった。

(以前、この丘に立ち寄った時は静かな夜でグリゼルダがいた……)

夜明けは天候に恵まれ、穏やな野生動物達は葉につたう水滴を弾きながら自由に人生を謳歌している。

(エルデの地で古竜が現れたあの日から、一時世界は混沌に呑まれ、大切な人達が記憶で生きる存在になってしまった。それでも僕は、かけがえの無い過去を忘れない為に、今に生きないと)

心中に去来する思いを強く胸に誓い丘を降りて王都へと向かう。

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