第4話 ネイルの暗号

 穂香はピンクベージュのネイルをしている両手をかかげて、嬉しそうに見つめた。

 その時、何かが見えた。

「?」

 穂香はネイルを自分の目に近づけて、見てみる。

「…これ、なに?」

「どうした?」

「尊くん、見て。ネイルの中に何か文字が書いてある」

「どこ?」

 尊が穂香の手を取ってネイルをよく見てみる。ネイルの中に英数字が見えた。

「電子部品店で見た時には、こんなのなかったと思ったけど…」

「何かの暗号?」

 穂香はスケジュール帳をスクールバッグから出して、ネイルの中にうっすらと見える小さな英数字を書き出してみた。英数字はネイルひとつひとつに、ひと文字ずつ見えた。左手の小指から右手の小指まで順番に書き出してみる。

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「なにか、意味あるのかな?」

「わざわざ、ネイルの中に書いたってところが、気になるな」

「尊くん、調べてみようよ。この暗号の意味」

「言うと思った」

 穂香は謎解き、好きだもんな、と尊は楽しそうに笑った。

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