第3話 欲しかった手

 穂香は電子部品店の隅にある木箱を見つけて、ふたを開いてみた。中にはかわいいピンクベージュのネイルをした両手が入っていた。

「!」

 ひと目ぼれだった。穂香はその手のパーツに見とれた。

「何かいいの、あった?」

 深美が穂香の側に来て、手に持っている箱を見る。

「これ…欲しい…絶対、欲しい!」

「そんなに、気に入った?」

「うん!」

 そんなことで、そのことを尊くんに話したら、わたしの誕生日にプレゼントをしてくれたのだった。

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