第2話 体のパーツの買い物
時は遡り、1か月前。
穂香は親友の深美(みみ)と一緒に、秋葉原の電子部品店にいた。
「見てみて! この足、かわいい、足のサイズ22.5cmだって!」
穂香の足のサイズは23.5cm。普通サイズだが、小さくてかわいい足に憧れている。
「でも、高いよ。うちらのお小遣いじゃ買えないね」
穂香が深美が見ている値札をのぞくと、30万円と書いてあった。
「バイトして買おうかな」
「今の足のままでも、十分じゃない?」
「う~ん、でも、欲しいなぁ」
「私は勧めないけど」
「うん、なら、検討中ってことで」
「それが、いいよ」
穂香は他にもいいのがないか、電子部品店の店内を見回した。
ここは体のパーツを売っているお店で、品ぞろえも豊富で値段は安め。私たちの世界では人間はほんの一部で、ほとんどがアンドロイドだった。そんな私も人間ではなく、アンドロイドで、深美も私と同じ。私たちアンドロイドにとって体のパーツは、定期的なメンテナンスに必要な部品だったが、それだけでなく、ファッションとしてパーツを変える、おしゃれなアンドロイドがたくさんいた。
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