シーン(140文字)

スパイホップ

郊外

鋭く甲高い路面電車のブレーキ音が静まり返った部屋の空気を切り裂き、思考を現実へと引き戻す。レールの繋ぎ目から振動音が低く響いたら、次はバイクが唸る音が鼓膜に届く。断片的なこの街特有の喧騒は都会のノイズとも故郷の静寂とも異なり、かすかな疎外感を味わわせてくれる。ここに居場所はない。

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シーン(140文字) スパイホップ @OrcaMargherita

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