第44話 日常
汚しても汚しても尚白さを輝かせるアリーに、私達は夢中になった。
打っても突いても嚙み千切っても、たちまちのうちに白さに恥じらいの朱を桃色に勃ち上がらせた完璧な姿で再生される白くたわわな二つの果実。
両穴を穿たれ 、指に始まり手、足、鋲突き棒、メイス、ハンマーとこの世のあらゆる棒で抉りつくされても差し込まれたものは悉く貪欲に咥えこみ、絞め上げ震え、淫蕩に濡れた嬌声とともに様々な液体を吹き上げながら痙攣を続ける。
「此がヒーラー…白魔法の真髄だというの?」
白魔法?これが・・・シロではなくエロなのでは??
「あたしは…自身女でありながらも、その魔性の骨頂がここまでのものとは」
部屋の左角に視線をながす。
そこには、体液をすべて吸い付くされたかのようなゲイリーズの亡骸が山となっていた。
恋人の名を呟き、他の男に汚された体を懺悔し許しを請い求め、涙ながらに助けを乞い、拒絶を哀願しながら泣き叫び……と、汚さずには、毟らずには、貪らずにはおけない男の獣欲をひたすらに尽きることなく掻き立たせ続ける。
それは、その姿のみならず声、様々にうねり続ける髪の毛、匂い、輝く体液……全てが生殖器と言って相違ない魔の者の姿……。
下衆とは言え下層を狩り場とする頑健な肉体を持つ絶倫冒険者であるゲイリーの骸が10を越えた辺りから、一体犯されているのはどちらなのか、という疑問が恐怖と共にうんぬんかんぬん……
「女を教えるどころか……これは私達のほうが教えを願うべきなのかもしれないわね」
「そんな、お姉さま!…いえ、そうかもしれませんわ」
前世にて女性週刊誌で得た異世界チート、男の欲望を操る媚態七選だの七変化だの禁断の魔書ポル◎ナーレだの、この魔物を前に如何程の意味があると言えるのか。
「ん?おい、そこのゲイリー。何をしている、行け」
あたしは隅で震えている男達を叱咤した。
「いっ、いやだ!」
「嫌だ、だと?初めは”ククク、アリー・・・良いザマじゃあねえか”と下卑たツラでイキってたろう、アレをやってやれ」
「俺はせっかく生き返ったんだ、まだやりたいこと食いたいもんが山ほどあ…」
そのとき、白く震える肉体が哭いた。
「マサト…あたし、こんな・・・ぅうっ……ごめんなさぃ…」
震え掠れ、泪を滲ませながら切なげに呟く愛しい恋人への懺悔。
「あああああ!!!!!いやだぁあああああああ!!!!!!」
ゲイリー30号機以下6体が絶叫しながら股間をはち切れんばかりに怒張させ、メソメソと淫蕩の泣き声に濡れるアリーへと群がって逝く。
「おい!バカっ!そのまま突っ込むヤツがいるか!それじゃいままでの奴等と一緒……」
思わずあたしは叫んでしまった。
ムチ、ロウソク、鉤針、針金のように固く鋭く毛ばだたせた荒縄……それら全てを効果的に使い十全に体力を削らなければアッという間に果て渇れてしまうというのに……なんてバカなゲイリー達だろう。
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「ダメね、ゲイリーでは何体いたとてゴミが増えるだけよ」
「プレイルームをダンジョンにしておいて正解でしたわね」
お姉さまの案内により地下迷宮中層を程々に下ったところにこの拷問部屋はある。
そしていまのアリーは立体的に360度から責めを受けられるよう理想的なポーズで吊られている。
「…お姉さまはまだシバいてゆかれます?」
スルメのように干からびカチカチになったゲイリー達をスミに投げながらお姉さまを向く。
「そうね、いくつか試したい召喚獣と深淵の神の眷族達がいるのだけど……」
「でしたらどうぞ、アリーはおいて行きますわ」
「そう?ありがとう」
「いいえ、どうぞご存分に…アリー、いいわね!」
「ぁ……ぃ」
取り返しのつかない穢れに絶望が滲んだ声音ながら、あたしへの忠にただ直向きに応えようとする清らかな健気。
ゾクッと背筋をかけ上る暗く煮えるような加虐心を無詠唱の神聖魔法で強く戒めながら、あたしは足早くその部屋を出て地上へと戻ろうと歩みを早める。
相変わらずドブ臭い石造りの通路ではあるが、あたしの歩調は軽い。
お姉さまにエレベータ的な移動ポイントを教えてもらったのでもーマジ駅から徒歩十分圏内とかそんな感じにダンジョンの下層が駅チカ物件と化してしまっているのであった。
最早庭ってヤツよ。
そんな人んちの庭でやたら大声を上げながらドタバタと暴れているジジイがおる。
いや、おにーさんとか遠慮する余地のまるでないクソ長い白髭と同じく白い伸び放題の眉、その下の鳥ノ巣のように落ち窪んだシワの中で輝く目。
白地に金でパイピング…縁取られた長衣となんかクソ長い杖はどっかのデカい劇団……ではなくお寺の高僧ですと言われてもふーんそうなんだくらいは返せそうな見映えである。
そしてパートナーは4メートル位の体高の、どら焼きサイズの魔石を落とすことでお馴染みのあのデヴィルなにがしであった。
「不浄の悪魔よ、冥府へと去れ!」
人の身で他の生物を不浄だのなんだのよう言えるわ。しかも去れもナニもここは奴等のナワバリだろっつーの…せめてお前が去れよ。
その吐く息からして人間の傲慢そのものであるジジイはデビルなにがしとなかなか良い勝負をしていた。
「むっ、仲間を呼ぶか!」
焦るジジイ。
炎が吹き上がり、裂けた黒い穴から新たなデヴィルなにがしが登場する。
そしてジジイがもたくたしてる間に呼ばれたデヴィル達はさらに召還を行う。
「ぐぬぅううう!白の法王、このバルタリアン今宵が命日となったわ!」
極まったジジイを眺めながら、デビル某の数が10体を超えるあたりでケツからプチプチと刺して間引きを開始する。
なんか……確実にアタシよりおっきい、前世工事現場にいた重機みたいにとても敵うわけがないと言って良いくらいのモンスターなのにヤツが半歩踏み出す間に歩いて刺して余裕で戻ったり股の間を抜けてその後ろのデヴィル某を刺したり、となんかめたくそやりたい放題出来てしまう。
いや、テキの剣とか当たったらあっさり死ぬんやけど・・・なんで??
デビル某の超でかいダンビラの横凪ぎを躱すついでに、でかいどら焼きサイズの魔石を拾う。
しょっぱい魔物とは言え、こんなんでも金貨10枚にはなるのだ。
プチプチ殺してホイホイ拾う。
気がつくとデヴィル某は2体になっていた。
何故か2体ともこちらを向き、ジジイと一緒にだらりと腕を下げこちらを見ていた。
「なあにみてんのよあんたたち。さっさと仲間とか呼びなさいよ」
デヴィル某達は顔を見合わせるとどちらともなく頷き合い、炎を纏いながら消えていった。
ジジイが残ったが特に良いもん落とさなそうだし放置してエレベーター(仮)へ向かう。
「まっ、待たれよ!女」
チッ、ジジイに用は無いっつーの。
無視して足を進める。
「なっ、無視するでない!ワシ結構偉い人じゃから仲良く……とは言わぬが恩に着せといたりするとお得じゃぞ!」
お得という言葉に主婦歴からの強力な条件反射があたしを振り向かせてしまった。
「あたしブレイバーで見た目通りのトシじゃないんだけどさぁ、若い女に声かけるってどういうことか分かってんの?」
なぜか復活してしまっている性の高売り意識を臆面もなく主張してしまうあたしwww
「えっ?ワシ地上じゃ最高権力者じゃし通俗的な禁足事項とかなんもわからんよ」
最高権力者??インペラートルだっけ?
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