弟子の自己紹介
エルフのシーナがドラゴンを倒した剣技を見て、俺に剣術を教えて欲しいと懇願し、俺はその要望を受け入れ、シーナを弟子とする。
早速シーナは俺を師匠と呼び、師弟関係を定着させようと躍起になっていた。
まあ、シーナは人間社会の勉強の為に旅をしているようだし、なにかを教わるというのはいいんだろうな。
そう考えながらようやく村にたどり着くと村人に声をかけられる。
「おお、リッキーさん、帰ったか、ドラゴンは?」
「まあ、どうにかなって、今は領主軍が死体の処理をしているよ」
「はえーーー、大したもんだな、ん?リッキーさん、そこのお嬢さんは?」
「おいおい、もしかして嫁さんじゃないだろうな?」
シーナを連れている事で嫁さんじゃないかと言われ、訂正しようとしたらシーナが被せるように話してきた。
「ああ、いや、彼女は……」
「私はリッキー様の剣の弟子なんです!」
「け、剣の弟子?どういうこった?」
「よくぞ聞いてくださりました、あ、申し遅れました私はエルフのシーナで旅をしております」
自己紹介を終えるとシーナは俺に弟子入りした経緯を話す。
「私が旅の途中でドラゴンに襲われている中、颯爽と現れ、私も少しお手伝いをしたのですが、なんと師匠はものすごい剣の技でドラゴンの身体を切り裂き倒したのです!」
「な、何だってーーーー!リッキーさん、あんた剣だけでドラゴンをぶっ倒しちまったのか!」
「ははは、まあな……」
「ただもんじゃねえと思っていたがこれはぶったまげたな……」
なんてこった、シーナは事細かく、俺がドラゴンを倒した経緯を話している。俺が戸惑っている中、更にシーナは言葉を続けた。
「しかも、慎ましい師匠はお手柄の一部を後から来た領主軍の方々にも分け与えたのです、なんと素晴らしい事なのでしょう」
「リッキーさん、あんたどうしてそんな事を……」
「ああ、ちょっとあんまり目立ちたくなくて、でも報酬はしっかりもらえるから大丈夫だよ」
「そして師匠の剣技、特にドラゴンを倒した奥義に魅入られた私は弟子入りを決めたのです」
「っていうわけだ、いつまでこの村にいるかは分からないけど、仲良くしてくれ」
「……それはいいけどよ、住むところはどうするんだ?」
「ああ、そうか。どうしようかな」
「師匠、師匠のお宅に案内していただけますか?」
「いいけど、俺1人住むのが精一杯だからな、シーナの過ごす場所までは……」
「そうですか……」
早速ぶち当たった、シーナの住むところの問題、一体どうすればいいんだ?
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