第21話 自分にとっての幸せを定義する

「幸せ」とは何でしょうか?この問いには多くの答えがあるでしょう。一般的には、豊かな暮らしや成功、安定した人間関係が幸せとされることが多いです。でも、パーソナリティ障害を抱える私にとっては、世間一般の幸せが必ずしも自分にとっての幸せではないと感じることが多々ありました。


そこで、私は自分にとっての幸せを定義し、それを見つけるための方法を探すようになりました。幸せの形は人それぞれ違うからこそ、自分らしい幸せを見つけることが大切なのだと思います。


幸せの押しつけから解放される


私が長い間苦しんできたのは、他人の価値観に基づいた幸せのイメージに縛られていたことです。たとえば、「成功するには正社員として働き、結婚して家庭を築くべきだ」という考え方。それが叶えられないとき、自分が劣っているように感じてしまうことがありました。


しかし、あるとき気づいたのです。他人の基準で作られた幸せの形を追い求める必要はないのではないか、と。むしろ、自分自身の価値観や特性に基づいた幸せを探す方が、心地よく生きられるのではないかと思いました。


自分にとっての幸せを定義する方法


1. 小さな喜びを見つける

私は、日常生活の中で感じる小さな喜びを探すことから始めました。例えば、朝のコーヒーの香りや、静かな時間に好きな本を読むこと。それらは一見ささやかなことですが、私にとっての「幸せの種」でした。こうした小さな喜びを見つけることで、幸せは特別なことではなく、日常の中にあるものだと気づきました。

2. 「これがあれば満足」と感じることを考える

幸せを見つけるためには、「自分にとって何が必要か」を明確にすることが大切です。私は、「安心して過ごせる場所があること」「好きなことに時間を使えること」といった、シンプルな条件を挙げました。これをリスト化することで、自分にとっての幸せがより具体的になりました。

3. 他人と比べない

他人と自分の幸せを比べることは、幸せを見失う原因になります。私は、「他人の幸せはその人のもの、自分の幸せは自分のもの」と割り切るよう努めました。他人の基準に合わせるのではなく、自分にとって心地よい生き方を優先することが、私の幸せを見つける鍵になりました。

4. 自分の価値観を探る

幸せは、自分の価値観と密接に関係しています。私は、自分が大切にしていることを振り返り、「自由」「静かな時間」「安心感」といったキーワードを見つけました。それらを満たすことが、私にとっての幸せにつながるのだと気づきました。


幸せの形は変化する


幸せの定義は一度決めたら終わりではなく、人生の状況や経験によって変化していきます。私は以前、仕事の成功を幸せと感じていましたが、今では「心が安らげること」がより大切だと感じています。このように、幸せの形は流動的であり、そのときどきの自分に合ったものを見つけることが大切です。


自分にとっての幸せを追求する効果


自分にとっての幸せを明確にすると、日々の生活に安心感が生まれます。他人の目を気にする時間が減り、自分の価値観に従って行動できるようになります。また、小さな幸せを積み重ねることで、心の中に満足感や充実感が育ちます。


最後に


幸せの形は人それぞれ異なります。それを他人の基準に合わせるのではなく、自分自身の基準で定義することが、自分らしい生き方への第一歩です。そして、幸せは特別な出来事ではなく、日常の中に見つけることができるものです。自分の価値観を大切にしながら、少しずつ幸せの種を育てていきましょう。


次回は、「自分を大切にする方法」について考えます。自分を優先することに罪悪感を持たず、どうすれば自分をもっと大切にできるのか、そのヒントを探っていきます。

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