第19話 自分の感情をコントロールする方法
感情は、私たちが生きていく中で切り離すことのできないものです。嬉しさや喜びだけでなく、怒り、不安、孤独といったネガティブな感情も、私たちの心に影響を与えます。特に、パーソナリティ障害を抱える私にとって、感情が急に押し寄せてくることや、それに振り回されることが大きな課題でした。
けれども、感情を「コントロール」するのではなく、「受け入れ、付き合う」という視点を持つことで、心が少し軽くなることに気づきました。
感情に振り回されるとき
私が特に感情に振り回されるときは、以下のような状況でした:
• 怒り:相手の何気ない言葉や態度に過剰に反応してしまい、その感情を抑えきれない。
• 不安:これから起こることに対する漠然とした恐怖に囚われ、頭の中で最悪のシナリオを繰り返し考えてしまう。
• 孤独:人といるのに感じる孤独感に苛まれ、自分は誰とも繋がれないのではないかと思い込む。
こうした感情は、時に私の行動を制限し、疲弊させるものでした。けれども、「感情に完全に支配される必要はない」と気づいたことで、少しずつ対応の仕方を学びました。
感情をコントロールするためのステップ
1. 感情を否定しない
最初のステップは、湧き上がる感情を否定しないことです。「こんなことで怒るべきじゃない」「不安なんて感じたらダメだ」といった否定的な考えは、感情を押さえ込むだけで、解消には繋がりません。私は、「今、こう感じているんだな」とまず感情を受け入れる練習をしました。
2. 感情に名前をつける
感情が混乱しているとき、それに名前をつけることは効果的です。たとえば、「今、自分は怒りを感じている」「これは不安だ」と自分に言い聞かせることで、その感情を客観的に捉えられるようになります。それだけでも、感情の影響が少し和らぎます。
3. 感情の原因を探る
感情に名前をつけたら、「なぜこう感じるのか」を考えてみます。私は、感情の原因を書き出すことで、具体的に何が自分を不安にさせているのかを整理するようにしています。たとえば、「締め切りが近づいているけれど、まだ準備が進んでいないから不安だ」と気づくことで、次の行動が見えてきます。
4. 感情を表現する
感情を心の中に閉じ込めるのではなく、適切な形で表現することも大切です。私の場合、怒りを感じたときは、その場でノートに書き出したり、クッションを抱きしめたりすることで、感情を外に出しています。表現することで、その感情が和らぐのを感じます。
5. 感情のエネルギーを利用する
感情は、私たちにとってエネルギーの一種です。たとえば、不安を感じるとき、そのエネルギーを「行動」に変えることで解消することができます。「不安を減らすために、今できる小さな一歩を踏み出そう」と考えることで、感情が味方になってくれます。
感情に付き合うことのメリット
感情を完全にコントロールすることは難しいですが、付き合い方を学ぶことで、感情が自分にとって前向きな存在になります。私が感じたメリットは以下の通りです:
• 感情が自分の行動を邪魔するのではなく、むしろ新しい行動のきっかけになる。
• 感情に振り回される時間が減り、気持ちが落ち着く。
• 自分の感情を理解することで、他人の感情にも共感しやすくなる。
感情を「敵」にしない生き方
私たちは感情を完全に消し去ることはできませんし、それを目指す必要もありません。感情を抑え込むのではなく、それを一つの「サイン」として受け取り、対応する方法を探ることで、心の負担は軽くなります。感情は、私たちの敵ではなく、自分を知るための大切な存在です。
最後に
感情は私たちの心の中で絶えず動き続けています。それに振り回されるのではなく、向き合い、付き合い方を見つけることで、心の穏やかさが得られます。感情を受け入れ、それを自分の味方にする生き方を、これからも続けていきたいと思います。
次回は、「自分の強みを見つけて活かす方法」について考えていきます。不安や弱さにばかり目を向けるのではなく、自分の中にある可能性をどう引き出していくかを探ってみましょう。
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