第6話 つながりを持続させるためにできること
つながりを築き、少しずつ深めることができたとしても、それを持続させるのはまた別の挑戦だ。私は何度も「せっかく築いたつながりを失うのではないか」と不安に駆られた。特に回避型パーソナリティ障害を抱える私にとって、相手との関係を維持するのは、時に築くこと以上に困難に思えた。
つながりを壊す「恐れ」
私が関係を続けることに躊躇する一番の理由は、「拒絶されること」への恐れだった。どんなに良いつながりを築いても、いつかその相手が自分を離れていくのではないかと考えてしまう。たとえその心配が現実的でなくても、心の中で恐怖が膨らみ、無意識のうちに自分から距離を取ってしまうこともあった。
でも、あるとき気づいた。つながりを持続させるために大事なのは、「相手との距離感をコントロールすること」ではなく、「自分の不安と向き合うこと」だということを。
つながりを持続させるためのポイント
1. 完璧を求めない
持続可能なつながりに必要なのは、完璧なコミュニケーションではない。たまに失敗したり、言い過ぎたり、無口になることがあってもいい。お互いに不完全であることを受け入れれば、つながりはずっと自然なものになる。
2. 定期的な小さな接触
関係を維持するために、特別なことをする必要はない。たとえば、「元気?」と短いメッセージを送るだけでもいい。ちょっとした接触が関係の糸をつなぎ止める。
3. 「義務」ではなく「喜び」として関わる
つながりを維持しようと無理をするのではなく、「自分が話したいときに話す」「会いたいときに会う」というペースを大切にする。相手にも同じように自由を与えることで、無理のない関係が続いていく。
4. 沈黙を恐れない
関係が一時的に停滞したとしても、それで終わりではない。少し距離が空いても、再びつながりを取り戻せることは多い。大事なのは、「沈黙の間にすべてを失うわけではない」と理解することだ。
私の実践:不安を越えた一歩
以前、数ヶ月間連絡を取っていなかった友人がいた。彼女とはとても良いつながりを築けていたが、私の不安が「迷惑じゃないか」とブレーキをかけてしまった。連絡を取るのが怖くて、ずっと放置していたのだ。
ある日思い切って、「最近どうしてる?」とメッセージを送った。返事がなかったらどうしようという不安もあったが、すぐに彼女から「連絡くれて嬉しい!」という返信が届いた。それだけで、私は自分が勝手に築いていた不安の壁を壊せた気がした。
つながりは「ゆるやかな循環」
つながりを持続させるために大切なのは、無理をせず、少しずつ関係を紡いでいくことだ。孤独感が強いときほど、つながりを維持するのが難しく感じるかもしれない。でも、つながりは相手と自分が交互に糸を織りなすようなもの。どちらかが一時的に休んでも、また再び織り始めればいい。
次回は、孤独を感じるときにこそ、つながりを見直すためのヒントについて考えてみたいと思う。つながりが続く先には、どんな景色が待っているのだろうか?
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