通常攻撃が効かなくて魔法も封じて無限増殖する存在は好きですか?
「なっ……なんだこれっ……!?」
エリタミノールが街に戻ると、街が炎に包まれていました。
あちこちで悲鳴が上がり、あちこちで人々が狼の魔物に襲われていました。
魔物達は迷宮からあふれ出てきているようです。迷宮の入口付近には魔物対策として砦が築かれていたのですが、魔物達はそれすら突破していました。
冒険者や街の守備隊が必死に応戦していますが、迷宮から絶え間なくあふれてくる魔物の軍勢の勢いはまったく衰える様子がありませんでした。
「レシアンが『魔物達の活動が活発になっている』って言ってたが――」
ここまで事件に発展するとは思わなかった。質屋から出てきたエリタミノールは唖然としながら街の惨状を見ていましたが、直ぐに動き出しました。
「レシアン……!」
彼は炎と群狼に荒らされていく街の中を走りました。
迫る魔物を斬り倒しつつ、幼馴染みの姿を探しました。
魔物の数があまりにも多すぎるうえに、何故か魔法が使えない事で大いに苦戦したものの、必死に駆け回ったおかげで彼は幼馴染みと再会できました。
「レシアン!!」
幼馴染みは魔物の群れと戦っていました。
街の住民を助けるため、避難誘導を行いつつ魔物達と戦っていました。仲間が次々と倒れていく中、彼女はよくやっていました。
「エリタにいさん!!」
レシアンもエリタミノールの姿を見つけ、ホッとした様子でしたが――。
「レシアン、上だ!!」
エリタミノールは血相を変え、鋭く叫びました。
その叫びが届いたおかげでレシアンは――上方から飛びかかってきた――巨大な魔物に踏み潰されずに済みました。
その魔物は燃えさかる体毛を持つ巨大な魔狼でした。近くにいるだけでドッと汗が噴き出るほど高温を撒き散らしつつ、矮小な人間達を
「レシアン逃げろッ!!」
本能的にそう悟ったエリタミノールは走りつつ、そう叫びました。
ただ、レシアンは――。
「――――!!」
恐れ逃げ惑う一般人を守るため、強大な敵に挑みかかっていきました。
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