俺が殺した男

目が覚めたら病院で奇跡的に全身骨折で済んだ。目が覚めて一番最初に言われた言葉は

「友達とじゃれあって落ちるなんてアンタ

馬鹿じゃないの!」と言われビンタされる。

そして医者が答える「あなたの方がバカだ」と俺はただ医者と母の会話を眺めていた。

俺の全身の傷をみて最初は虐待を疑ったが

この傷が虐待じゃないのならどう考えても

いじめだろ?と。そして母が言う「私の時代いじめなんて当たり前だった」と。「この子を甘やかしすぎた」母はそう言って病室を

出て行った俺の呼ぶ声も聞かずに。その後

1人残された病室の窓を眺めていた「じゃれあって落ちた……か。」教師が上手いことそういうことにしたんだろう。なんせうちの親は

他人に言われたことを全て信じそして自分が

正しいと信じ疑わない人間だから。その後

お見舞いに来たのは陽だった「りょう、く」

少し怒ったようなでも泣いていて凄く複雑な

表情「驚いた?」俺が笑って聞くとビンタ

された。母よりもずっと鋭くてでもスっと

痛みが一瞬にして消えていった。「ばか」

俺の手を優しく握った「なんで、おち、

なんで、おちたの?」少し考える、考えてまた笑う「命を奪ったなら命で払おうと思って」そしたらまた怒られた陽にバカだと

そんなの誰も望んでないと言われた。

「じゃあ、陽に何がわかんの?」俺は逆に尋ねた「りょう、く、やさしい」驚くほど真面目で真っ直ぐな瞳「優しい?俺が?本気で言ってんの?」陽は頷く。今まで溜め込んでた

ものを全て陽に吐き散らかした「俺は人を殺したんだよ。それが陽だった陽は俺のせいで将来死ぬんだよ 俺がお前を殺すんだよ。

それなのに優しい?馬鹿じゃねぇの?俺は

優しくなんかないし 飛び降りたのだってまだ罪滅ぼしできてないのにどうすればいいか

わからなくなったから。それで目が覚めたら生きてましたなんてバカみたいだろ?

目が覚めて一番最初に母親と医者の口喧嘩聞いてさ 母親に私の時代の方が酷かったと言われ挙句の果てに呼んだのに振り返りもしてくれなかったっ!」全部言って言うんじゃなかったってすぐに後悔した。「りょ、く、には、殺されて、ないよ?」今まで見たことが

ないような残酷なほど優しい笑顔だった。

「ぼくが、じぶんの、いしで、しんだの」

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