『日本の中学生の俺が異世界に行って無双する〜厨二病賢者が最強になるまでの物語〜』となるはずでした

第一話 漆黒の賢者黒島黎明

転生記録　2024年　阿賀羅川中学2年『田中三郎』

キーンコーンカーンコーン……

聖なる鐘が鳴ると同時に、愚鈍な者どもが集まる学舎に、この漆黒の賢者、『黒島黎明』が現れん。

「フッ……皆の者、待たせたな。この黒島黎明様が現れたぞ……」登場シーンのセリフもバッチリ。

「田中君、もうチャイム鳴っちゃってるから席についてねー？」「あぃや、せんせ、ぼ、じゃなくて俺は黒島黎明だ！」

クラスからどっと笑い声が生まれる。

「田中三郎、おま、いつから黒島黎明って名前になったんだ、ふッへっ、腹いてーよ！」「田中三郎じゃない！　黒島黎明！　く・ろ・し・ま・れ・い・め・い！」「黒島くん席についてねー！」体から沸々と何かが込み上げてくるのが分かる……。これは怒りか、恥か……。ともかく、俺は席についた。

俺の理性が身体中を転げ回る。死にたい！　死にたい！　と言いながら。

「じゃ、一限目は数学ですー。数学の教科書、持ってま＿＿」

記録終了