第二回 亜空間 Warp drive
「まずは、こちらをご覧ください」
画面には、宇宙空間に浮かぶ、銀河系の全体像が映っていた。
「これがわたくしたちのいる銀河系です。わたくしたちは今亜空間いるので、正確に言えばわたくしたちがいた銀河系ということになりますね」
玉龍は指を振った。そうすると、画面の中の銀河系の上に五つの光点が描かれた。
五つの光点のうち一つは銀河系の中心に、四つは中心の周囲、四方に位置していた。
「銀河系には生命の
玉龍が指を振ると、銀河系の中心にある光点の上に「天界」の文字が表示された。
「残りの四つが人間や動植物が棲む
玉龍が指を振ると、四つの光点にそれぞれ「東勝神洲」「西牛貨洲」「南贍部洲」「北倶盧洲」の文字が表示された。
「わたくしたちがいたのは南贍部洲で、わたくしたちの目的地である
玉龍が指を振ると南贍部洲から西牛貨洲に向かう矢印が表示された。
「しかし、二つの地界のあいだは三万光年以上離れており、本船の全速力を持ってしてもたどり着くことはできません」
玉龍が指を振ると、矢印の上に
「そこでワープが必要になります!」
玉龍が指を振ると、✕が消えて、「Warp!」の文字が表示された。
「四つの地界の間には、神々が作ったという、
「あたしたちが今いるのがそのチャネルってわけだな」
「そうです」
「しかし、ショートカットっていうわりにはずいぶん長くいるもんだな。蛇盤山を出てから、もう一週間以上も宇宙を飛んでるぜ。あたしはもう日付の感覚もおかしくなっちまったよ」
「これでも亜光速で飛んでいるんですよ。一週間の航行なんて、三万光年の距離に比べたら象の前の蟻です」
「で、後どのくらいで、その西なんとかって所に着くんだ?」
「わたくしの計算によれば、あと二時間でチャネルの終端に達し、西牛貨洲に抜けるはずです」
「おう、待ちわびたぜ。ようやく惑星の土が踏めるってわけだな」
「はい!ですから、皆さんに集まって頂いて、説明させて頂いたわけです!」
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