第28話 師匠

 内官となると去勢が必要になる。年のいった仁では、切り落とすにしろ腐らせるにしろ、衛生面で生き残れる気がしなかった。

「ああ、どうしよう、うれしいです」

「そうか。よかった」

「はい。では、料理人たちにも師匠を紹介しないと」

 料理人たちと仲良くするのは少し癪だが、月花のためならなんでもしたい。雨流はにこやかに仁との思い出を話す月花に、心奪われるのだった。

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