第6話

「起きろ、リュウ。何時だと思っているんだ」



リュウの目覚めは最悪だった。布団をはがされて、頭をぼさぼさにされる。



「…なんだよ、ケイゴ」


「遅刻するぞ」



まぶしい光に目を細めながらリュウは、着替えおわったケイゴをみて、動きをとめた。時計をみる。家から学校まで、歩きで早くて十分ほどだ。もう、間に合わない時間だった。ため息を吐くリュウに呆れたケイゴはベットに腰かけた。


服はリュウのタンスから引っ張り出したものである。




「ユウはおれを起こしてでていったぞ。十五分まえにな」


「そう。で、おまえはいかなくていいの。今からでも、走ればまにあうぞ」




目を細め、はやくしろ、とだけいったケイゴは玄関へといってしまった。待っていてくれるらしい。おなかが鳴っていたが、気にせず準備を終わらせると、ゆっくりと学校へとむかった。

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