姫路城の妖怪・・・・・・ずっと昔に読んだ吉川英治版の「宮本武蔵」にちらっとそんな記述があったのを思い出しました。それはそれとして、誰もが主役を張れるレベルの有名剣豪たちを、よくぞこうまとめたものだと作者の手腕に感心しました。
ホラーの要素があり、なおかつ歴史、時代もの物語は峠の廃城で村人が何かに襲われる序章からはじまり、主人公たちの章へと進んでいく。剣豪たち、宮本武蔵、柳生兵庫介、伊藤一刀斎などキャラクター付けがしっかりとできていて見ごたえがある。小坂部姫という妖怪のキャラがおもしろい。本編とエピソードに分かれていますが、なかなかうまい設定だと思います。悪い点は時代物の語り口調をもう少し柔らかくしたらもっと良かったのでは?全体をみても誰が読んでも面白いのではないでしょうか。
ホラーであり、剣豪ものあり、しっかりと歴史、時代、伝奇である、作者の力量が問われる良い作品。3話目くらいからジリジリと面白くなってきました。有名な剣術家が出てきて、妖怪を退治するところが良く書けて居る。エピソードシリーズはまあまあですね、でもエピソードシリーズの最後が、ああなるほど、こう繋がるのかと思い、流石と思いました。この先生の作品を見ると、よく歴史を理解されてますね。最近読んだ本の中では100点満点。