第3話
フリーランスの仕事をしながら副業としてここでバイトをしている彼女は、私より一回り年上だが覇気があり、若々しい。
そもそもダブルワークという時点で尊敬に値する。働きたくない、が常に念頭にある私にとっては、労働を重ねるなど私の思考では生涯行きつかない。
今日は客層が随分と良い。
大学1年の頃からここで働き始めて5年にもなると、反射的に色々分析して自分の行動パターンも組める。
ふたり組の客が多く、落ち着いた飲み方をする客ばかりなのでこちらとしては助かる。
唯一、卒業までの残りわずかな大学生活を謳歌し切ろうと騒ぐ学生がいるぐらいだ。
安西さんも私の隣で立ち話を始めたあたり、暇なのだろう。
ふたりですぐに客の対応ができる店の隅、奥ばった通路の先にお手洗いのあるそこに立ったまま話す。
「そういえば、
不意に投げかけられた問いに、私は、無意識に目を眇めた。
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