第3話赤色の憤怒2
僕は次にこの星系の中心となるこの星の力に触れるべく別のところに向かった。
「やはりあの星の神の力がこの星に死をもたらしているようだ。」
僕は今星の力を感じている。
「だが、この星はすぐに死を迎えるようで死の前に星の神がその力を吸収しているのか。」
そんなことより僕はこの星の歴史を垣間見ている。
どうやらこの星の神はこの星域において信仰されていた。
だがあの恒星が死を迎え赤色矮星になった。
その影響はこの星系において死をもたらした。
「やはりあの赤色矮星はおかしい。」
「その通りだ。どうやら俺の星系の秩序を乱す奴がいるみたいだ。」
「先ほどぶりです。星の神よ。」
垣間見ている歴史から炎がこちらに向かって話しかけてきた。
やはりというべきかこの星の力と繋がっているから干渉できているようだ。
「さてお主は何が目的でここに来た?」
「僕は自分を知るために放浪の旅をしています。」
「ほう。お主は自分が何者かも知らぬというのか。」
「えぇ。僕は最近目覚めました。そして自分に眠る力が星の力だとしか知りません。あなたは知っているので?」
「我も知らん。だが、その星の力に似た力を持つ星の神を知っている。」
僕はそれを聞いてはいけないように感じた。
「やはりお主は勘づいているようだ。」
「えぇ。」
「その力は我より高位の星の神の力だ。今お主を通して見ている。我も口止めされた。」
「ありがとうございます。星の神よ。」
「そうでもない。我も久しく暇しているのでな。」
そういうと星の力は消えていった。
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「星の力を感じた。」
僕はこの惑星上にこの星の力とは別の力があることを感じた。
ティタイアス様から頂いた力がその力に反応しているようだ。
「総員、戦闘準備を!」
フル装備を着用してその星の力を感じた方向に向かった。
この星はやはり死に瀕している。
星の力も衰弱してほぼ感じられない。
そんなことを考えているととうとう見つけた。
「そこのお前!」
こっちに向かって歩いている青年に向かって放った言葉だ。
「誰だ?」
「私はティタイアス様の騎士。アセンリオンだ!お前の名は?」
だが彼は何も答えなかった。それどころか隣を過ぎようとした。
なので肩を掴み振り向かせようとした。
しかし肩を掴もうとした手は彼に届かなかった。
無意識に彼から手どころか体ごと引いた。
「アセンリオン様!」
部下が悲痛な声を上げた。
「大丈夫だ。にしてもお前は何者だ?」
本能が彼を危険だと言っている。
だが私の矜持が体を動かした。
光の本流が体を纏い右手に着けているガントレットに力を集中させ彼に接近した。
「オラアアアア!!!」
やはりというべきか彼は私の攻撃を全て躱していった。
「その力。お前の神の力か。」
「それは少し違う。」
「何??」
「これは星の力そのもの。」
その言葉に俺は訝しんだ。
何故ならそれを使える人間なんて存在しない。
我々人間は星の神から力を与えられそれを使うことが出来る。
だが目の前の人間は星の力と言った。
普通ならあり得ない。
普段なら間髪入れずに否定するのだがこの異様な雰囲気を持つ彼の前では否定しきれない。
観察していると彼の雰囲気が鋭く変わった。
この時のことを部下に尋ねたら。
「彼岸を見ました。いえ、彼岸というより深い闇といった方が正しいでしょうか。」
「やはり彼は我々にとって悪なのでしょうか?」
彼の質問に答えられなかった。
確かに我々は損害を被った。
だがあの時くらい闇へと落とされる前に聞いた気がした。
『ここにも無いのか。僕の存在は。』
彼は何かを求めている。
だから僕は彼を
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「ねぇ。君は自分を何と言う名前で呼ぶの?」
紫色の瞳で見てくる彼女は僕を見つめてそう問うてきた。
僕には何もない。あるのは星の力と今ここにいるということだけ。
全てが虚構に見える、感じる。
だがこの間見た彼は真実なのだろう。
嘘偽りなく存在していた。
「ふふ。そうやって考えているのはいいことだわ。でもね、君が星を滅亡させる最後の一手を加えた事実は変わらないわ。」
そう。あのライオネル星域に存在した最後の惑星を破壊した。
大きすぎる力は身を滅ぼす。それがどんな力を持っていようと。
「でもね。私はあなたに死んでもらっても困るのよ。」
耳元でそっと呟く。
「でもおかげでライオネル星系の星の鍵を手に出来たわ。」
彼女の手には灼熱に燃え上がる鍵があった。
すでにその鍵は真紅の炎から漆黒に染まっていた。
「さて返すわ。」
その鍵が体の中に入ってきた。星の力自体に同化した。
「さて、これからも沢山見つけてね。」
その空間は崩壊した。
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