07.
「俺の方こそ、ごめんな。酷いこと言ってごめん」
「…………っ」
「
「……うん」
ボロ、と涙をこぼしながら、柳之介が頷いた。
「お前のせいじゃないんだ。絶対に」
「うん……うん」
「好きになってやれなくて、ごめんな。好きになってくれたのに」
「ううん……」
「けど、好きになってくれて嬉しかったよ。ありがとうな、勇気出してくれて」
「……
「ああ、なんだ?」
「これからも、ずっと好きでもいいですか?」
柳之介の問いは、深くて。
俺には、荷の重い言葉で。
だけど、もう大人にならなきゃいけない。
自分に向けられるこの気持ちを、もうこれ以上、踏みにじってやりたくない。
誰かを好きになることが悪だなどと、この少年に言ってやりたくないのだ。
「ああ、いいよ。当たり前だろ!」
少しすると、島田が来た。釣り人は親切だった。俺の両親より一回り年上のオッチャンが二人。警察は勘弁してくださいという言葉と、柳之介と俺の様子を見て察してくれたらしい。「いやぁ、俺も昔は川に転がり落ちたもんよ」と、釣りのバケツを垂らすためのロープを
それを伝って登って、なんとか生還。「最後に大物釣っちまったぜ」なんて言って、ガッハッハと豪快に笑うと、オッチャンたちはそれ以上何も聞かずに去っていった。ビバ、地元。またここに来れば会えるだろうか。
それとほぼ入れ違いで、でかいスポーツバッグを提げた
「えっ、マジじゃん。マジで落ちてんじゃん」
「いや、嘘とか言ってねーから」
「ってか、あれ? 島田? どうしてここにいんの?」
と、雄太はふと、俺と柳之介と、島田の顔を一つずつ見回すと……
「……修羅場?」
否定はしない。
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