第44課題 ウォール・トゥ・クライム10
授与式があるとかでアタシと
コンコンとノックの音がして、入って来たのは
「どしたん?」
「祝いに来たのさ。二人ともおめでとう」
怖いなあ。なに考えてるんだろう。
ちょっと引いてるアタシを尻目に、
「ん? まだなんか用?」
「そこの
……ん? え? は?
「
額を押さえてとてもつらそうな顔をしていた。
「だが、今回こうして
「ふーん。そうなんだ」
「恥ずかしがらなくてもいい……とは言え、そうだな。こういうことは敗者の私から言うべきだな」
コホンッ。と軽く咳払いをして、
「
片膝を突いて手を差し出して来た。ガンギマリロミオじゃん。
アタシは斜め後ろで控えていた
向き直って言葉をかける。
「いいよ。許したげる。付き合おっか」
目の端に捉えた
「ありがとう。私と
なるほど。そう言うことね。わかりやすいロミオだねーホント。
「ところで
「ああもちろん。
「ありがと。そんじゃ別れよ。じゃーねーばいばーい」
手を振ってお見送り。でも
「え、ちょっと待って」
「ばいばーい!」
強めの笑顔で強めに手を振った。どんどんとその両手を
ようやく踵を返して控室を出て行った。
あとで
控室の天井のスピーカーからアナウンスが流れる。
『授与式を行います。みなさまクライミングウォールへお集まりください』
アタシは、ぽかんと突っ立っている
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