第28話

「俺ほどカナちゃんに愛着して求める存在なんていないよ?カナちゃんを生かせるのも殺せるのも俺だけだってこと、もっと自覚したら?」


「脅し…?」


「違う、独占欲。」


「は?」


「それと執着。」


「…っ意味わかんない。」


「ねえ、聞かせて。なんでそんなに消えたいの?」


「自分にもこの身体にもうんざりしてるからに決まってるじゃない!」


「じゃあ俺が全部もらってあげるからもううんざりしなくて済むじゃん。」


「…!」



そう言われてハッとした。

確かに、と素直に思ってしまったのだ。



消えたいってことしか考えてなかったから盲点だった。



消えなくても、自由に動けて行きたいところに行ける身体だったら?



そんなの夢のまた夢すぎて考えたこともなかったのだ。

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